1話「絶望の淵に咲く花」

みつきは愛須市外の八朔高校に通っている新入生だ。
市外の生徒が多かったので、高校では疎外感を感じて少し孤立していたようだ。

あいりとゆあにダンスシューズをプレゼントされた翌日の放課後、みつきは高校の同級生である少女達と遊びに行くことにした。
「コスメ買うの?ウチもついてっていい?」
みつきはコミュ力は高い方なので、勇気を持って同級生に頼んだ。同級生も快諾し、みつきと共に学校帰りに同級生の行きつけのお店であるプリティーホリックへと向かった。
みつきは「ちょっと遅くなる」と母親に連絡したようだ。

「見て!プリティーホリック新作のティントリップだよ!」
「こっちには、新作の香水もあるよ!どれにしようかな〜?」
ワイワイと少女達が話している。みつきも興味を持って、少女達に近付いた。
「ウチも買おうかな?」
「うん、めっちゃいいよ!」
「どれにする?」
みつきはプリティーホリック新作のティントリップのシトラスオレンジを持って言った。
「これにしよっかな」

みつきは、プリティーホリックのティントリップのシトラスオレンジだけでなく、あいりとゆあへのお返しにロージーピンクとアメジストピンクも購入し、愛須駅へと降り立った。
ちなみに、みつきと一緒にプリティーホリックに行った少女達はその後カラオケに行ったようだ。
「あいりとゆあ、喜ぶだろうなー…」

「君、学校帰り?」
みつきが恐怖を感じて後ずさる。男が歩み寄ろうとすると、男の手首を誰かが掴んだ。
「やめろ!」
赤い髪の青年が男と軽い揉み合いになったが青年の方が強く、男は逃げて行った。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます…」
みつきは助けてくれた青年に頬を赤く染める。そしてこう聞いた。
「あの…名前、なんて言うんですか?」
「俺か?天羽大輝だ、よろしくな!」
「大輝さん…また会えるといいですね!」
みつきは笑顔で走って去っていく。みつきは照れ隠しをしていたが、初恋していたのだ。

みつきは走って自分の家へと帰ってきた。
「ただいまー!」
「おかえり、変な人に絡まれなかった?」
「大丈夫!助けてくれた人がいたから!」
「そう…ならいいけど」
この日は先に仕事から帰っていたみつきの母親は少し心配していたようで、みつきは放課後に遅くなる時には母親に連絡していたようだ。

みつきは部屋に戻った後、あいりとゆあとメッセージで話した。
『二人とも、ダンスシューズありがとう!今日は部活休みだったから持って行かなかったけど、部活ある時に持って行くね!』
その後は他愛もない世間話をしていたが、みつきはこんな話を切り出した。
『下校途中に絡まれたけど…ウチを守ってくれた赤い髪の男の人に一目惚れしちゃってさ』
それに対して、あいりはメッセージを送った。
『もしかして、大輝さんのこと好きなの?』
『え?大輝さんって誰?』
疑問をなげかけるゆあに対しても、みつきは答えた。
『ウチの初恋の人だよ。すっごくかっこいいんだよ!』
それに対して、あいりはメッセージを送った。
『わたしは大輝さんと知り合いだから、今度ゆあちゃんとみつきちゃんに紹介するね!』
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