1話「絶望の淵に咲く花」

ゆあがショッピングモールから出て、屋外駐車場に走って来た。
「え、何?どうなってるの?」
ゆあは困惑した様子でバレッティオと戦うキュアロージーを見つめる。ピュアンナが言った。
「ゆあ、逃げるピュア!」
「なんでわたしの名前知ってるの!?てか、あなたしゃべれるの!?」
「説明はいいから逃げるピュア!」
「う、うん!」
ピュアンナと共に逃げるピュアンナ。そこにバレッティオが突っ込みそうになった時、キュアロージーが押さえつけた。
「今のうちに逃げて!」
「う、うん!ありがとう!」
ゆあが逃げた後だった。キュアロージーはバレッティオにはねられた。プリキュアに変身していたので無傷だが、ゆあにとってはいたたまれない光景だった。

「なんでそんなことするの!?あの子はゆあを守ってくれた!なんで!?」
怒りのあまりに叫ぶゆあに、レンはハッとなる。動揺して、レンは何も言えないようだ。
「うっ、それは…」
レンは苦し紛れに言い訳をしようとするが、言葉が出てこない。ゆあは叫んだ。
「ゆあはあの子を悪い怪物から守りたい!だから、ゆあは逃げたくないの!」
ゆあがこう叫ぶと、紫の光が現れた。
「ま、まさか…」
レンは動揺した様子から立ち直れないらしく、力なく呟く。
「新しいプリキュアピュア!」
そんなレンとは対照的に、ピュアンナは目を輝かせる。ゆあは決意したように、あいりの物とは色違いのスマホケースに入った自分のスマホとキュアカード・アメジストを手にした。

アプリを起動したゆあはキュアカード・アメジストを手にしてこう叫んだ。
「プリキュア・スイーティーハニー!」
そう言って、スマホにキュアカードを画面にかざすと、音が鳴る。
そしてゆあは髪型から変化し、紫と白、アクセントに黒の入った地雷系を思わせる衣装を身にまとった。
「高貴に煌めく紫の水晶!キュアアメジスト!」
最後には決めポーズも決めた。

「キュアアメジスト…!」
キュアロージーは感嘆したように言う。命令されずに暴走したバレッティオは、キュアアメジストが「アメジストバリア」で防いだようだ。

そして、キュアテージがMAXになったため、キュアテージスキルを出した。
「プリキュア・アメジストダスト!」
無数のアメジストの欠片がシャワーのようにバレッティオに直積した。
「フィジッティオ…」

バレッティオが浄化された後、ショッピングモールの前は元に戻った。
レンは苦しそうに去っていった。

「アメジスト!」
キュアロージーがキュアアメジストの手を取る。
「ロージー!これからは一緒に戦おうね!」
「うん!」
キュアロージーとキュアアメジストに、ピュアンナが言う。
「プリキュアが2人になったピュア!この調子で仲間も助けるピュア!」

そして、愛須駅で下校途中のみつきをあいりとゆあは出待ちした。
「おーい、みつきちゃーん!」
「え!?あいり!?ゆあ!?」
駅前で待ってくれていたと思わず、驚くみつき。
あいりとゆあは、そんなみつきに一緒に先程買ったダンスシューズの入った袋を手渡した。
「ゆあちゃんと二人で選んだの」
「うん…みっちゃんのダンスシューズボロボロだったら、買い替え時かなーって、高校生になったし」
「これをウチに!?わー、これ前から欲しかったヤツじゃん!ありがとー、二人ともー!」
みつきは嬉しくなって、あいりとゆあに抱きつく。

3人の明るい笑い声が西に傾きつつある空に響いていた。
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