1話「絶望の淵に咲く花」

円形のテーブルには、愛須市を牛耳るマフィア組織ミッドナイト・ファミリーの幹部が座っていた。

「ボスからの命令で知ったんだけど、キュアロージーとかいうプリキュアがあたしらのシマを荒らしてるんだって?」
赤いパッツン前髪の好戦的な女性幹部がレンに聞く。レンは俯きながら、メガネを上げる。
「そうなんですよ、とんでもないシマ荒らしが現れたと裏社会では騒ぎになってます…」
「で、おめーはそいつに2回も負けたんだろ?」
赤髪の女性幹部の指摘にうなだれるレン。それを見かねたウェーブがかった茶髪のロングヘアにピンクと黒の衣装を着た女性がフォローした。
「まぁ、プリキュアのことで苛立つのはわかるけど、一方的にレンくんを責めるのは良くないわ。私達にとっても想定外だったし…」
座っていたあごひげの生えた男性幹部は、落ち着いた口調で言う。
「月夜野まことくんの言う通りだ…だが、プリキュアのことが本当なら、女といえど相応の報いを向けねぇとな」
あごひげの男性幹部は「月夜野まこと」という茶髪のロングヘアの女性の隣に座る、前髪で片目の隠れた青年を見る。青年はゆっくりと、しかし確実にこう言った。
「俺達はボスの命令に従うまでだ…勝手なことはできない」
「出たよ、指示待ち発言!あー、死神みてーな指示待ちにはなりたくねーな!」
「おい、やめろ」
赤髪の女性幹部の発言をあごひげの男性幹部がたしなめる。まことは隣に座る「死神」と呼ばれた青年を見ているようだ。
「刹那、大丈夫?」
「ああ、俺は気にしていないから大丈夫だ…死神と呼ばれることには慣れている」
刹那は頷いた。

その時、レンが立ち上がった。
「次にプリキュアと戦う人決まってます?決まってないなら、僕が行きますけど…」
「お、リベンジするのか!がんばれよ!」
赤髪の女性幹部が気合を入れて応援すると、レンは頷いて、会議室を出た。
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