1話「絶望の淵に咲く花」

数日後、あいりと颯人は煌木組の事務所も兼ねているカフェ「キラット」へと行き、ピュアンナと共に事務所へと向かっていた。この日は、颯人も私服姿だった。
「お邪魔します…」
颯人はカフェの中にある事務所の雰囲気に圧倒されつつも、案内された席へと座る。二人とも付き合いたてなのでどこかぎこちないが、手をつないでいる。

ソファーに向かい合って座る煌木とヤロロの人間の姿である矢野。
「あいり、早くも恋人を見つけたんだね」
「はい」
あいりが頷くと、煌木は颯人にも向き直る。
「如月颯人くん、だったね?…私は煌木梨乃。煌木組の組長だ」
「俺は矢野壱郎や。君に来てもらったんは、プリキュアの恋人の役割を説明したかったんや。」
「は、はい…よろしくお願いします」
颯人は頭を下げる。矢野は続けた。
「プリキュアの恋人は、プリキュアにとって大切な存在なんや。というのも、プリキュアの真の力を発揮させるには…」
こう言って、矢野はあいりと颯人にプリキュアの力を強くさせる方法について語った。話を聞いて、赤面する二人。
その様子を見て、煌木はこう補足する。
「君たちはずいぶん初々しい反応をするね。だが、我々はこのことに関してはこれ以上は言わないから安心してくれ」
「俺らはこのことについてとやかく立場やないからな。君らで話し合うといい」

話が終わった後、青年が事務所のドアを叩く。
「すみません、もう話し終わりました?」
「ちょうど終わったところだよ、入ってくれ」
ドアが開くと、赤い髪の身長が高い青年が入ってくる。
「組長、この二人がプリキュアと恋人ですか?」
「ああ、そうだ。花房あいりさんと如月颯人くんだ」
あいりと颯人も立ち上がった。
「花房あいりです、よろしくお願いします」
「如月颯人です…」
青年は笑顔になってこう言った。
「やっとプリキュアとその恋人が見つかって安心したぜ!俺は天羽あもう大輝だいき!よろしくな!」
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