「なるほど…誘拐された少女を救出して情報屋に託した後に、ディーノ園城がボス・オスクリタに殺害されたのか……」
煌木がこう言った後、あいり達の様子を見た。あいり達は人が殺害される現場を初めて見てしまったショックで、ゆめを救出できたのに表情が暗い。
煌木はあいり達をフォローするためにこう言った。
「…だが、彼女がその現場に居合わせていなかったのは不幸中の幸いだ」
「そう…ですよね」
あいりがそう言った。もしゆめがディーノ園城が殺害される現場を見ていたら、間違いなくトラウマになっていた。ひなが先に連れて帰ってくれていてよかったと思う。

煌木の隣に座る矢野がこう言った。
「それにしても、ミッドナイト・ファミリーがディアマン教団とグルやったなんてな…プリキュアがディーノ園城を殺したなんて嘘もついとるみたいやし」
「許せないですよ…！」
颯人は膝の上で拳を握りしめる。
「プリキュアは人を殺さないのにこんなデマが出回るなんて、あんまりだ！」
颯人はプリキュアの恋人として、一番近いところでプリキュアを見てきた。颯人にとってあいりは最愛の人であり、なぜ優しい彼女が魔女呼ばわりされるのかも理解できなかったし、プリキュアはゆめのような貧民街の子供達にとってヒーローであることも知っていたからだ。

ゆあとみつき、ピュアンナも颯人に続いた。
「わたし達もプリキュアがそんなこと言われるなんて許せないよ。わたし達は絶対に人を殺さない！」
「そうだね！ディアマン教団が仕組んだんだよ！ウチらを罠にはめるためにね！」
「プリキュアの力は悪い心を浄化するためのものピュア！絶対に体に傷はつかないピュア！」
彼女達に勇気づけられたレンと大輝も言う。
「ミッドナイト・ファミリーもあくどいな…僕達が愛須市の光だというのを見せつけてやろうぜ！」
「そうだな！俺達の力は、人々を守るためのものだ！」
その様子を見て、あいりは煌木と矢野に言った。
「と言うわけで、お願いです！プリキュアの潔白を証明させてください！」
「お願いします！」
颯人達も頭を下げる。煌木は矢野と顔を見合わせた後、こう言った。
「そうだな…ミッドナイト・ファミリーのボスであるオスクリタという大元を浄化させるしか方法はない。…大変な戦いになるだろう」
「俺らで準備は進めとく。それまでにやり残したことをやれ」
「ありがとうございます！」
あいり達はお礼を言うと、煌木組の事務所から出ようとした時だった。