5話「全力疾走×全面抗争」

チンピラ達と入れ違いで、ひながやって来る。
「本物のプリキュア!?ゆめちゃん、プリキュアが助けてくれる状況になったら絶対喜ぶだろうなー!」
ひなが興奮した様子で、キュアロージーの両手を握る。
「ちょ、ちょっと…ひなちゃん!?」
「大丈夫!わたし、口は堅いから!」
「梓さん…?キュアロージーは何か話したがってそうだし、ちょっと落ち着きなよ」
「あ…そうだった!」
ひなはキュアロージーの両手から手を離す。

「さっきチンピラと戦ったんだけど、ゆめちゃんはディーノ園城の命令で誘拐されたみたいなの!」
「ディーノ園城…ミッドナイト・ファミリーの幹部だね」
ひながそう言うと、キュアイノセントが頷いた。
「ええ、そうよ。ミッドナイト・ファミリーの本拠地が怪しいと思うわ」
「情報提供ありがとう…それと、キュアイノセント!?本物!?」
ひなはキュアイノセントの方に駆け寄ると、キュアイノセントの両手を握る。
「え?何!?」
キュアイノセントが動揺すると、ひなが目を輝かせながら言った。
「キュアイノセントって、すごい美人だね!それにキュアロージー達とどうやって仲良くなったの!?」
「やめてやれよ、困ってるだろ」
レンが間に割って、制止する。
「ひなちゃん…ちょっと心配になってきたな」
大輝がプリキュアのことになると周りが見えなくなるひなを見て、困惑する。

「レン、ミッドナイト・ファミリーのアジトの場所わかる?」
キュアアメジストが聞くと、レンは頷いた。
「ああ、知ってるよ…ディーノ園城には少しばかり借りがあるからな」
「ミッドナイト・ファミリーに苦しむ人が、これでいなくなるんだよね…?」
キュアシトラスが不安そうに聞く。大輝は愛須市の外に逃亡せざるを得なかった月夜野刹那のことを思い出していた。
「俺にもわかんねぇし、ミッドナイト・ファミリーがなくなっても愛須市の状況は変わらねぇかもな…」

颯人はレンに聞いた。
「レン、ミッドナイト・ファミリーのアジトまで案内してくれるか?」
「オッケー、任せなよ」
その様子を見て、キュアロージーはこう言った。
「うん、行こう!ひなちゃん、ゆめちゃんが救出されたらおやこの家まで連れて帰ってね!」
「うん!」
ひなは頷いた。
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