1話「絶望の淵に咲く花」

あいりとピュアンナが席に着くと、向かい合っているソファーに煌木が座った。
「プリキュアになったのが、まさか君みたいな少女だったとはね…」
煌木が口説くように言ったので、あいりは頬を赤らめると咳払いをしてこう続けた。
「私達の生まれたグリッタリアと言う国の伝説では、プリキュアになれるのは成熟を迎えた若い未婚の女性なんだ。君がプリキュアに選ばれたのは、君が成熟していると判定されたんだろうね」
「あの…成熟、って……?」
「君は大人だと認められたという意味だよ」
あいりは驚きを隠しきれない。煌木はそれも想定内という様子でこう続けた。
「グリッタリアはマフィアに支配されたから、我々はここに逃げてきた。ここにいる子供の妖精達はこの愛須市に来てから生まれた存在だ」
見ると、子供の妖精達がプレイマットの上で遊んでいる。それを見た後、煌木は本題に入った。

「君は今まで通りの暮らしをしていて構わない…だが、プリキュアとして我々に力を貸してくれないか?あいにくミッドナイト・ファミリーとの抗争で拉致された構成員もいるし、今行動できる構成員は組長の私と若頭のヤロロ、そしてそこにいるピュアンナだけなんだ」
「プリキュアとして、私ができること…」
「ピュアンナも手伝うピュア!」
あいりはピュアンナも言ってくれたが、煌木にこう質問する。
「あの、家族や友達に相談することは…」
「ダメだ。プリキュアの正体は我々としても秘匿したい…正体がわかってしまったら、君の人生を棒に振ることになるからね」
煌木の言葉に青ざめるあいり。そんな様子を見て、煌木は安堵させるようにこう言った。
「だが、プリキュアの正体を秘匿できるプリキュアの恋人になら、それに関して相談してもいい。プリキュアの恋人は君にとって運命共同体だからね」
プリキュアの恋人という存在に赤面するあいりに、煌木はこう言った。
「私からは以上だ。君はプリキュアとして我々に力を貸してくれるかい?」
「はい…やります!今まで通りの生活ができるなら、プリキュアの活動とも両立できると思います」
あいりは覚悟を決めて、頷いた。
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