2章「Journey to the City」

ハナ達はアカデミーを出た後、噴水広場に行った。
「たまたまアカデミーの先生が穏便に済ませてくれたからよかったけど…勝手に建物に入ったら大変なことになることもあるんだからな」
フウトはハルに注意していた。ハルは反省しているようだ。
「はい、ごめんなさい…」
「まぁ、次からは気をつけるんだよ…」

そこから少し離れたところに、ハナとブレイズはいた。近くのレストランからスーツ姿の男女が出てきた。ハナ達はこっそり近付いて、様子を見ることにする。
「ここのレストランは口コミでの評判通り、おいしかったな。テレビや雑誌の取材があったほどだしな」
40代くらいの金髪の男性が横の女性と話している。長い金髪をポニーテールにまとめ眼鏡をかけた女性は、スマホを取り出して時間を確認した。
「そうですね…社長、そろそろお時間です」
「そうだな…行くぞ、サラ」
どうやらこの男女は会社の社長とその秘書だろう。二人の様子を後ろから見ていたブレイズは、隣のハナに話しかけた。
「なぁ、ハナ…あの人達、なんか雰囲気違わなかったか?大物感があるというか…」
「そうだね…社長って言ってたし……」

放課後の時間になり、広場にダイチとアースがやって来た。
「お待たせー!学校終わってすぐ家に帰って父さん達に旅に出ること話して、支度してたら遅くなった!」
「おーい、こっちだよー!」
ハナが手を振って知らせる。

「ダイチ…だったな!さっきはありがとう!」
ブレイズがお礼を言うと、ダイチは照れたように笑って言う。
「別にいいって!お前ら見どころあるよな…仲間に入れてくれ!」
「僕もみんなといると楽しそうだなと思うんだ!」
突然のことに、驚くハナ達。最初にハルが言った。
「いいですよ。仲間は大勢の方が楽しいって言いますし」
「仲間は多い方がいろいろできるもんな!」
ブレイズとハルがそれぞれパートナーの方を見る。そして、フウトが言った。
「ハル…君が行動してできた縁だし、いいと思うよ」
「うん、もちろんだよ!よろしくね、ダイチくん!」
みんなが歓迎してくれるので、ダイチは少しおどけた様子で言った。
「おっと、もう仲間なんだから…ダイチでいいんだぜ?」
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