2章「Journey to the City」

ハナ達がティエラに着いた時には、陽も沈みかけていた。
ティエラには歴史あるレンガ造りの建物が並んでいる。

ハルは街並みを見渡し、感嘆する。
「わぁ…本やテレビで見たことありますが、素敵な街並みですね!」
ブレイズは仲間達に合図を出した。
「とりあえず、母ちゃんにオレが無事だと知らせよう!みんなもついてきてくれ!」
そう言うと、ブレイズは駆け出した。

ティエラの街に黄色いツーサイドアップのように見える頭の女性エレメントがいる。彼女にブレイズが駆け寄ってきた。
「ブレイズ!ブレイズなのね!」
「おーい!母ちゃーん!」
ブレイズとフレイアは親子の感動の再会をした後、後から来たハナ達の紹介をする。その後、フレイアが思いついたかのように言った。
「そうだわ…立ち話もなんだし、これから食事に行かない?もちろん私のおごりよ!」
それを聞いてハナ達は嬉しくなり、お礼を言った。

ティエラにあるレストランでフレイアにおごってもらうことになった。もちろんブレイズは大喜び。
「いいのか、母ちゃん!」
「ブレイズの仲間だもの!みんな、今日はジャンジャン食べてね!」
「あ、ありがとうございます…」
フウトは気後れしながらもお礼を言う。そして、隣のハルに耳打ちした。
「なぁ、ハル…大丈夫なのか……?」
「はい、ブレイズくんのお母さんなので、悪いようにはしないはずですよ」
そう小声で話した後、フウトとハルは席に合ったメニュー表を見る。

笑顔だったフレイアだが、ふと思い出したかのように達観したような表情になる。そんな母親の表情を見て、ブレイズは声をかける。
「母ちゃん…?」
「ブレイズ、このことは話した方が良さそうね…実は最近、あの人と連絡が取れていないの」
夫と連絡が取れなくなったフレイアのことが心配になったハナは思わず聞き返した。
「あの、連絡…取れなくなったんですか?」
「ええ…あの人は元々まめに連絡をくれていたんだけど、最近急に連絡取れなくなって…」
フレイアは心配そうな表情になる。ブレイズもそれを見てこう付け加えた。
「それでオレは父ちゃんを探しに行ったんだ」
「それで、あたしと出会ったんだよね?」
ハナの問いにブレイズがうなずくと、フレイアが言った。
「そういうことだったのね…ハナちゃん、どうかブレイズの力になってあげて」
「そうだったんですね…ブレイズのこと、任せてください」
「そういってくれて嬉しいわ、ブレイズとハナちゃんも注文決まったら教えてね!」
フレイアがいつもの調子に戻ると、フウトがハナにメニュー表を渡した。もう注文は決まったようだ。

ハナ達は夕食をおいしくいただいた。
1/11ページ
いいね