消滅していくアビスを見て、ハナは呟いた。
「終わったん…だね」
呆然とするハナに、イグニスは言った。
「ああ…終わったんだ」
「すげぇ…オレ達、世界救ったんだ！」
ブレイズは喜んで飛び上がる。フレイアはその様子を見ている。
「まだ実感がわかないわ…」
その時、ハナ達のスマホに大量に通知が来た。通知を確認すると、大量のメッセージが送られている。
メッセージの内容は以下の通りである。

「ニュース観たよ！宇宙人から私達の星を守ってくれてありがとう！」
「まさか自分の息子がヒーローだったとは…！感動だ…！」
「あなた達はすごいから、自分に誇りに持ってね」
「君は最高のヒーローだ！」
「ダイチくん、がんばったね」
「教え子がアルケーを救うなんて、教師として鼻が高いです」
「ウチらの星を守ってくれてほんまにありがとう」
「次の出勤日が楽しみだよ！しばらくお客様はみんなその話でもちきりだろうね」
「アクアはあたしの誇りだよ！」
「ミサキ、お前は俺の自慢の娘だ」

「戦ってる時はニュースに僕達が映ってるとは考えてなかったな…」
スマホを確認するフウトに、ハルが笑顔で言う。
「わたし達有名人ですね！」

「ほんとにすげぇな…旅に出た頃はそんなこと考えてなかったな」
「そうだね…」
ダイチとアースが話しているところにミサキが声をかけた。
「すごい…ネットニュースにもなってるよ」
「お、マジか！？」
ミサキがネットニュースの記事をスマホで表示し、それをダイチが見る。それを見て、アクアは嬉しそうに呟いた。
「これから忙しくなりそうね…」

ブレイズがハナに声をかけた。
「ハナ…オレ、ハナとパートナーになれてよかった！」
「うん！あたしもだよ！」
そして、ハナとブレイズが向かい合う。
「これからも、あたしのパートナーとしてよろしくね！」
「ああ、もちろんだぜ！」

その後、ハナ達は日常へと戻ることとなった。
スマホでいつでも連絡できるし、休日は電車に乗って遊びに行くこともできる。

ブレイズ一家は、ハナの家で共に暮らすこととなった。
イグニスも新しい仕事を始めたし、フレイアも神話の研究をしたり、冒険の日々を文章にしたり忙しかった。

ディバインアーク社もエレメントの労働者の待遇を改善しようと尽力し、社長夫婦や特殊課は忙しくも充実した日々を送った。
エーテルはニンゲンを憎むエレメントがいなくなったため事実上の解散となった。しかし、彼ら彼女らにそれを悲観する者はいなかった。みんな前に向かって進んでいたのだ。