4章「Truth of Emperor」

サクハナから出たヒカグラの市街地で、フレイアはミサキやアクアと話をしている。ハナ達とはヒカグラを出ることで合流することになった。

「アクア…確認のために、あなたが言っていた皇帝クリムゾンの写真を見せてくれないかしら?」
「え?ええ…」
フレイアは皇帝クリムゾンの画像を見るために、アクアにスマホで画像を見せて欲しいと頼んだ。アクアのスマホに映った皇帝クリムゾンの画像を見て、フレイアはよろけそうになった。
「フレイア!」
ミサキは倒れそうになったフレイアを支える。

「まさか、あの人がエーテルのリーダーだったなんて…!」
フレイアは動揺していた。まさか、自分と離れて暮らしており、急に連絡を取れなくなった夫がエーテルの皇帝として君臨しているのだ。
「あの、皇帝クリムゾンの正体は…どうやって気付いたんですか?」
アクアが尋ねると、フレイアは話し始めた。
「実は…皇帝クリムゾンは、もともと私の夫がオンラインゲームで使ってたハンドルネームよ。でも、どうしてエーテルに…?」
フレイアは動揺を隠しきれないようだ。しかし、少し冷静になってこう言った。
「ブレイズにはこのことは話さない方がいいわね…」

ミサキ達はハナ達と合流した後、エーテルのアジトへと向かって行った。
その通り道で、二人の男性が歩いて来た。二人とも、エレメントを連れている。
「グレンさん、どうやら私達以外にもいましたね」
「そうみたいっすね、ヒサメ課長」
ディバインアークのヒサメとグレン。そしてパートナーエレメントのグレイとフェルノもいる。

「あなた達も…いたんですね」
ミサキは身構えながら言う。ヒサメは落ち着いた様子で言った。
「ミサキさん、ワタ…社長があなたをお探しでした。こちらに戻ってきてもらいますよ」
「私はあなたにミサキを渡すつもりはないわ」
「あたし達もミサキをあなた達の所に送るわけにはいかないよ!」
「そうだよな、ハナ!」
アクアがヒサメたちを睨みつけると、ハナとブレイズも身構える。ヒサメの横に控えていたグレイが言った。
「行っても聞かないようだな…」

グレンが前に出て言った。
「悪いけど…こっちはケツカッチンなんだよな」
それを聞いて、ダイチがフウトに聞く。
「お…おい、ケツカッチンって何だ?」
「僕に聞くなよ…」
「えっと…次の予定がある、という意味かな?」
ミサキが「ケツカッチン」の意味を答える。
「え?そういう意味なんだ!すごーい!」
「わたしも使ってみたいです!」
アースとハルが言うと、ミサキが言った。
「お父さんに教わったからね」
「あなたのお父さん、そういうお仕事をしているの?」
フレイアがミサキに聞いた時だった。

グレイが魔法を使い、氷の刃をミサキ達の近くに飛ばした。
「…話を聞いていたか?」
「グレイ、手荒なマネはよしなさい。…私も本当は手荒なマネはしたくありませんでしたが」
ヒサメはそう言うと、グレイの槍を持った。

「やっぱり、話し合いでは済ませてくれないようね」
フレイアがハナ達に警戒するよう言う。
「グレン、俺達も戦うぞ!」
フェルノが叫ぶと、グレンも言った。
「そうだな…派手にやってやろうぜ、フェルノ!」

「よし、行くぞ!みんなでミサキを守るんだ!」
ブレイズが叫ぶと、ハナも言った。
「そうだね…みんな、行こう!」

★バトル時の攻略方法★
火属性のエレメントで戦うと苦戦必至。
水属性や土属性のエレメントで戦おう。

「派手に燃やせ、フェルノ!」
「ああ!任せろ!」
フェルノのスキル「インフェルノの叫び」は、火属性の全体攻撃だ。風属性のハルは大ダメージを受け、気絶した。

「ハル!」
フウトは抹茶フラッペをハルに飲ませる。それでハルはカムバックした。
「フウト…」
「ハル…無理するなよ」
フウトはハルを助け起こす。

「課長とか言ってたヤツは俺に任せろ!」
ダイチはヒサメに向かって行き、スキル「グランドスラム」でヒサメに攻撃した。
「ぐっ…!」
ヒサメはその場に伏せた。
「やった!」
「後はアイツだけだな!」
アースはダイチとハイタッチした。

アクアのスキル「アクアドロップ」で、ミサキとフウトは時間を追うごとに傷が癒えるのを感じた。
「エレメントのスキルにこう言うのもあるんだな…」
ブレイズが感嘆すると、ミサキはアクアの魔法スキル「スプラッシュウェーブ」をグレンに直撃させた。
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