1章「Girl Meets Element」

夕方、ハナは帰宅した。
「ただいまー」
「おかえり、今日の昼間にフウトくんを見かけたけど、エレメントの女の子を抱えてて急いでたみたいなの」
ホノカの話を聞いて、ハナは今日の昼間にあった出来事を思い出す。そのことをハナは母に話した。

「そんなことがあったのね…もしかすると、フウトくんも旅に出るかもしれないから明日あいさつしといたほうがいいわよ」
「そうだね、そうするよ!」
「もしよかったら、フウトくんと一緒に旅したら?」
ハナは赤面した。その様子をブレイズが不審そうに見つめる。
「え!?ふ、フウトと!?」
「ハナ、どうしたんだ!?」
「ごめん!ちょっと一人にさせて!」
ハナは走って2階まで駆け上がり、自分の部屋に入った。

ハナは自分のベッドに座ってあれこれ考える。しばらくすると、ブレイズが部屋に入って来た。
「なぁ、ハナ…ママさんと冗談で言ったと思うよ」
「そうだよね…フウト達と旅ができたら、楽しいんだろうなって思ったんだ!」
「それだけじゃないと思うんだ!一人じゃできないこともできるんだぜ!」
「そうだね!明日旅に出るからフウトに会いに行こう!」

翌朝、ハナは旅の支度をして、近所にあるフウトの家に行った。
しかし、出迎えたのはフウトの母親であるフウカだった。
「ごめんね、ハナちゃん。フウトはついさっき出かけたわ」
「あ、そうなんですか…」
「昨日リィンクルの園がどうとか言ってたから、たぶんそこに向かったと思うわよ」
「そうねんですね!ありがとうございます!」
ハナはお礼を言い、ブレイズに向き直った。

「行こう、ブレイズ!」
「ああ!」

フウトを探しにヘルシーダを出たハナ達だが、4体の羽ウサギに襲われる。
「ど、どうしよう!囲まれちゃった!」
「これじゃあ逃げられねぇぞ!」
「でも、こんなに倒せないよ!」
パニックになるハナとブレイズ。

しかし…緑の矢が、1体の羽ウサギに命中した。ハナ達は驚いてその方を見る。
「間一髪だったね」
フウトが眼鏡を上げながら言う。左手にはハルが生成したと思われる弓が握られていた。
「ハル、大丈夫かい?」
「はい、一晩休んだので元気いっぱいです!」
ハナは嬉しくなって、思わず叫んだ。
「フウト!」
「話すのは後だ。まずはこいつらを片付けるぞ!」
「うん!」
「胸アツ展開だな!行くぜ!」
ハナ達は羽ウサギに向き直った。

4体の羽ウサギを倒した後、フウトはハナに話しかける。
「もしかして…僕のこと探してた?」
「そうだよ!もしよかったら一緒に旅しない?さっきの弓矢での攻撃もすごかったし…」
「え?か、考えとくね…それより、リィンクルの園に行かないと」
先を急ぐフウトとハルを見ながら、ブレイズがハナに話しかけた。
「ハナ、脈ありみたいだな」

リィンクルの園のルフに頭を下げるフウト。
「すみませんでした、ここのエレメントを勝手に連れ出して…」
「かまわないよ。君は彼女を救ってくれた恩人だからね」
ルフは笑顔で告げる。それだけでなく、ハルが旅に出る許可も出してくれたようだ。

フウトはスマホで母親に電話をかけている。ハルと旅に出るという旨を伝えているのだ。
ハナ達は少し離れたところで、話をしていた。
「よかったな、ハル!」
フウトも通話を終え、話しかける。
「旅に出るって伝えたから、これからよろしくね」
「うん!…で、一番近い街ってティエラだったよね?」
ハナの話を聞いて、ブレイズが言う。
「オレの母ちゃんはティエラで神話の研究をしているんだ。そこに行こうぜ!」
「ん?待てよ…ティエラへの直通の道って、工事中じゃなかったか?」
その会話を聞いて、ハルが提案した。
「長老さんに話してみましょう。何かわかるかもしれません」

「あたしたちはティエラに行きたいんですけど…道は工事中で通れないみたいなんです」
ハナはルフに事情を説明した。ルフは考え込む。
「なるほどな…ティエラに行くなら、スフィアリルを経由するしかない」
「スフィアリルって、確か毒で汚染されていますよね」
フウトは昨日のことやニュースで見た内容を思い出しながら尋ねる。ハルも続ける。
「わたしもそこを通ろうとして気分が悪くなりました…」
ルフはハナ達の様子を見て、静かに告げた。
「近くの森に動植物について詳しいエレメントがいる。彼女なら対策してくれるだろう。君達の健闘を祈るよ」
「ほんとですか!?ありがとうございます!」
ハナはお礼を言い、仲間達と共にリィンクルの園を去った。
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