3章「The Way of Swords」

「ようお越しくださいました」
ヒカグラの温泉宿に着くと、女将のイブキが笑顔で出迎えた。横には年配の男性エレメントがいる。
「ヨシノちゃんから今日あんたらが泊まりに来るって連絡があったんよ。温泉も入ってるから夕飯までゆっくりしていき」
「ありがとうございます」
ハナが頭を下げると、眼鏡をかけた女の子が風属性の男性エレメントと共に奥から出てきた。

「おばあちゃん、今日旅人さんがお客様として泊まるって聞いたけど…」
「ナギ、その子達が今日泊まる旅人さん達よ」
ナギが祖母と話していると、エレメントの男性も孫と話していた。
「今日は長旅でお疲れのお客様がいらっしゃるからな…ハーリー、お客様を露天風呂の前までご案内しろ。お客様が泊まるお部屋はいつも以上にきれいにしておくんだぞ」
「もちろんさ、じいちゃん」
ハーリーは祖父であるサイクロと話した後、ナギと共にハナ達に近付いた。

「お客様、ようお越しくださいました。うちはナギ、女将イブキの孫です」
「俺様はハーリー、ナギのパートナーだ」
「ちょっと、ハーリー!お客様の前やで!」
ハーリーをたしなめるナギを見て、ブレイズは声をかける。
「ナギと…ハーリー、でいいよな?普通に話していいぜ!オレ達、そんなに年変わらないし」
「え、ええの…?じゃあ、普通に話すね」
ブレイズの提案を聞いて、ハナ達に普通に話すことにしたナギ。

「荷物まで持ってもらって…悪いわね」
露天風呂への温泉の通路で、フレイアがナギに言う。
「そんな、いつもお客様のお荷物をお運びしてるし…」
「でも、すごいよね…私だったらすぐ息切れしそう」
ミサキがナギに感嘆した様子だ。

「この旅館の温泉は混浴なんだ」
「え!?」
「おい、マジかよ!?」
ハーリーが何気なく言った言葉に、驚くフウトとダイチ。その反応を見て、クスリと笑うハーリー。
「…おいおい、変な想像するなって。ヒカグラの温泉は水着で入るんだ」
「あー…よかったぁ……」
ハーリーの言ったことに安堵するダイチ。それを聞いて、ハルは思わず尋ねた。
「何かあったんですか?」
「…聞かないでくれ」
フウトは溜め息をつきながら言った。
「びっくりしてたやろ、驚かすのはやめとき」
ナギが再びハーリーに注意する。

そんな話をしていると、露天風呂の前まで来た。男女別の更衣室の前にはそれぞれのれんがかけられている。
アースが目を輝かせながら喜ぶ。
「うわぁ~!温泉だ~!」
「着いたで、ここから露天風呂や。うちらはお預かりしたお荷物をお部屋に運んだり、お部屋の掃除をしたりするからまた後でな」
「うん、ナギちゃん!また後でね!」
ハナがそう言うと、ナギはハーリーと共に荷物を持って去っていった。
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