2章「Journey to the City」

「あの…」
金髪ロングヘアの美少女がハナ達に声をかけた。それを聞いたハルが嬉しそうに言う。
「声をかけられるなんて…わたし達も有名人になったんですね!」
「いや、それはないだろ…そうだったら嬉しいけど」
フウトがハルと話している間、ハナは少女に声をかけた。
「…で、どうしてあたし達に声をかけようと思ったの?」
「あなた達って、ディバインアークと戦っているんだよね?問題ないなら…わたしもついて行っていい?」
「なんか唐突だな…」
少女の話にブレイズは驚く。その様子を見た少女は自己紹介した。

「あ、自己紹介がまだだったね…わたしはミサキ。ディバインアークの社長の娘だよ」
目の前の少女であるミサキがディバインアークの社長令嬢だということに驚くダイチとアース。
「しゃ、社長令嬢!?」
「ってことはお嬢様!?」
「驚くところそこじゃないだろ…」
的外れなことで驚くダイチとアースにフウトはあきれた。

その時、ハナ達が話している噴水広場の近くに、何台もの車が止まった。その中の1台から、執事のような男性とエレメントが出てくる。
「ユウスケ殿!この3人で間違いありませんぞ!」
初老の男性エレメントが叫ぶ。それを見て、ハナ達は身構えた。

「え…さっきのことだよね?」
アースがつぶやくと、ユウスケという名のニンゲンの青年と執事のエレメントが近付いてきた。
「あなた達ですね?ピラミッドへの侵入者というのは…先程、出てきたのを目撃しましたよ」
ユウスケの話に、ブレイズは唖然とした。
「うわ、見られてたのか…」
「わたし達、有名人になりましたね!」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ…」
相変わらず能天気なハルをたしなめるフウト。エレメントが鞭を生成し、それをユウスケが持った。

「下がってて…彼らは戦う気よ」
驚くミサキに下がるよう言うフレイア。ユウスケは落ち着いた声で告げた。
「旦那様があなた方に話を伺いたいとのことです。申し訳ありませんが、屋敷まで連行させていただきます」
「おい、ムチ持ってるとかやべぇだろ!アース、行くぞ!」
戦おうとするダイチをフウトが止める。
「待て…下手に抵抗しない方がいいぞ」
「私達もあなた達をむやみやたらに罪人に仕立てたくないのです。どうか私達と共に来てもらいたい」
ミサキとフレイアが真っ先にうなずき、車に乗った。ダイチも車に乗ったが、その表情は不満げだった。
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