1章「Girl Meets Element」

ある昼下がり…
アルケーの地方都市である「ヘルシーダ」を、一人の少女が散歩していた。
「んー、いい天気だなー。絶好の散歩日和だね」
このツインテールの少女はハナ。両親やペットのドラゴンと共にヘルシーダに住んでいる。

ハナが公園の近くを歩いていると、見覚えのないスーツ姿の男と彼のパートナーと思しきサングラスをかけたエレメントがいる。何かを探しているようだ。
「あのー、すみません。逃げ込んだって、何を探してるんですか?」
それに気付いたスーツの男とサングラスのエレメントは答える。
「ああ、お嬢ちゃん。驚かないで聞いてくれよ」
「実はだな、火のエレメントがこの茂みに逃げ込んだんだ」
ハナはお礼を言うと、公園へと入って行った。

公園でハナが辺りを見回すと、オレンジの炎のようなエレメントがいる。
「火の…エレメント……?」
好奇心ハナは興味を持って、そのエレメントに近付き眺める。

「うわぁ!ニンゲンだ!ほ…本物だよな?」
「うん、そうだけど…君は、エレメントだよね?」
驚くエレメントに戸惑いながら聞いたが、その時に物音がした。

現れたのは、スーツの男とサングラスのエレメントだった。男は武器を持っている。
「見つけたぞ!大人しく捕まれ!」
「逃げられると思うなよ!」
ハナはとっさに炎のエレメントをかばい、自分の後ろに隠す。

(まずい、このままじゃ捕まっちゃう…!)
「あれ?お嬢ちゃん、エレメントを見つけたの?見つけたなら教えてくれないと…」
武器を持ったまま詰め寄るスーツの男に、内心パニック状態のハナ。その時、エレメントが叫んだ。
「ニンゲン、力を貸してくれ!」
わけがわからない様子のハナに、エレメントは炎の剣を生成し持たせる。
「説明は後だ、来るぞ!」

「とりあえず…倒せばいいんだね!」
ハナは剣を構え、スーツの男が持つ武器を剣で防ぐ。どうやらスーツの男も、自分のエレメントの武器を持っているようだ。
「一気に決めるぞ!」
「うん!」
ハナはスーツの男に剣で斬りつけて、そのスーツの男は我に返った。

「か、勝てた、よね…?」
ハナは困惑しながら倒れたスーツの男を見る。スーツの男が起き上がると、サングラスのエレメントと共に逃げた。

「あ、ニンゲン呼びはさすがに失礼だったな…オレはブレイズ」
ブレイズははにかみながら自己紹介する。ハナは嬉しそうにうなずいた。
「あたしはハナ!よろしくね、ブレイズ!」
「もちろんだぜ、ハナ!」

ハナは家路につきながら、ブレイズと話す。
「なぁ、ハナ。オレはずっとキミのようなニンゲンを探していたんだ」
「えっ、あたし…みたいな人?」
ハナの問いに、ブレイズはうなずく。
「ハナはあの剣を普通に使えただろ?でも、オレにとってはあの武器は大きすぎるんだ」
「確かにエレメントには大きすぎるよね」
「オレが1人で旅をするのも危険だから、ハナにもついてきて欲しいんだ!さっき逃げたあいつらはディバインアークという会社のやつらなんだ」
ディバインアーク。アルケーでは有名な大企業だ。
「ディバインアークって確か、家電や日用品、おもちゃとか色々な物を作ってる会社だよね?」
「ああ、そうなんだ。父ちゃんにも会いたいし…だから、手伝ってほしいんだ!」

夕方、ハナはブレイズと共に帰宅した。
「ただいまー」
ハナはリビングのソファに腰かけた。

「おかえり、ハナ。暗くなる前に帰ってきてくれて安心したわ」
「お、エレメントも一緒なのか。…ということは旅に出るかもしれないんだな」
「まぁ…そうなるかもね」
ハナは両親であるホノカとアキトとたわいもない話をする。ブレイズは両親にもあいさつをする。
「ブレイズです。ハナのパートナーになると思うんで、よろしくお願いします!」
「ブレイズくんね。今日は泊っていきなさい」
「ハナのこと、頼んだぞ!」
ブレイズは力強くうなずいた。
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