ビットアドベンチャー

眼鏡をかけたデフォルメ調の女の子に案内されて乗ったエレベーターから降りると、そこはスイッチ・ステーションに中にある住宅の廊下でした。
「駅の中にこんな場所があるの?」
親指姫が聞くと、ピットが答えました。
「うん、ここは二つ以上のゲームに登場するキャラクターがスイッチの中で生活できるセカンドホームだよ。マリオとかは本当に色々なゲームに出てるから、スーパーマリオのキャラクター専用のセカンドホームもあるんだ。」
「ゲーム機の中に家があるって、すげぇよな…」
ジークが感嘆したようにセカンドホームを見つめます。

女の子はある部屋の前に立ち止まると、インターホンを鳴らしました。インターホンの上にあるモニターには、女の子によく似た茶髪で眼鏡をかけた女の子の顔が映りました。
デフォルメされた女の子が持っていたメモ帳をモニターに見せると、モニターの画面が消えてドアが開きました。そこからはピット達と同じくらいの背丈の女の子が出てきました。
「案内ありがとう、アバター・ニッキー。わたしはニッキーだよ。」
ニッキーはデフォルメ調のアバターであるアバター・ニッキーにプレイヤーの目に触れるところは任せて、いつもは自分の部屋にいます。

「ピット、お友達を連れて来たの?」
「うん、そうなんだ。親指姫は自分のゲームで重要なアイテムがなくなったから、探しに来たんだ。」
「探し物があるんだね…力になれるかも!」
ニッキーはピット達3人を部屋の中に招き入れました。

「重要なアイテムがなくなると大変だよね…どんなアイテムがなくなったの?」
ニッキーの質問に、親指姫が答えます。
「メルヒェンの血というピンク色の液体よ。わたしのゲームでは、メルヒェンの血を浴びると狂暴になるわ。」
「狂暴になる!?それ、やべぇヤツじゃん!」
ジークが驚きます。ニッキーは落ち着いた様子で、親指姫の話を聞きながら何かを描いていました。

「他に…何の特徴があるの?」
ピットが恐る恐る聞くと、親指姫が答えます。
「メルヒェンの血は舐めると甘い味がするの…本当はわたしが確かめるべきなんだけど、自分のゲームの外だから何かあっても責任は取れないわ。」
親指姫が暗い顔でそう言ったので、描き終わったニッキーは聞きました。
「メルヒェンの血はピンク色で、舐めると甘い味がするんだよね…?どうやって確かめるの?」
それを聞いた親指姫は覚悟を決めたように言いました。
「わたし以外の誰かが舐めて確かめるしかないわね。メルヒェンの血はわたしにしか効果がないんだもの。」
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