長方形のプラネタリウム
「ふう……と、まあこんなものかな。どうだった?俺の解説は」
「星座にもそれぞれ神話があったんだな、とても面白かった」
「気にいってもらえたなら良かったよ。どの星座の神話も、遥か昔の異国の地から海を渡って、現代のこの国にも伝わる程、多くの人に愛された物語だからね」
ストールの青に広がる星空を線で結んでは、星座の星の名前や神話を数十分に渡って国広に語って聞かせ、ようやく一通り話し終えた山姥切は一息ついてから国広に感想を求めた。
目を輝かせて自分を見つめる国広の表情を見て、山姥切は満足そうに笑うとストールに広がる星空に手を伸ばした。
「……こうして空を見上げて、星座を眺めてそれぞれの物語を思い返すと、何か壮大な絵巻物でも読んでいる様な気分になる」
「そうか。あんたが夜に出陣する時に空をよく見ていたのは、星を見ていたんだな」
夜に向かう出陣や遠征途中のちょっとした小休止の時に、時々山姥切が部隊からひっそりと姿を消す事がある。
国広が同じ部隊に配属された時に、彼を呼ぶために辺りを探すと、大抵は部隊の刀達から少し離れた静かな場所でたった一振り、空を見上げていたのだ。
その表情は柔らかく細められた目元に微笑をたたえていて、そして時折ほんの少しだけその笑みが翳り、どこか寂しげにも見えていた。
もしかしたら仲が良かった役人の事でも思い出していたのかもしれない。
「その政府の役人とは今でも会っているのか?仲が良かったんだろう?」
「いや、本丸に配属になってからは連絡を取ってはいけない決まりだからね。ここに来て以来は会っていない。彼が息災であれば、それで構わないよ」
そう言った山姥切は、あの一振りで夜空を見上げていた時と同じ表情を浮かべていた。
「そうなのか……なあ、山姥切」
「何かな」
「……また、星座の話を聞いてもいいだろうか。こうしてこの夜空を見ながらでもいいが、本物の夜空を見ながらでも」
「…………そうだなあ……それを肴にまた酒を飲むのも楽しそうだね」
国広の誘いに山姥切はしばらく呆けた顔をしていたが、やがて嬉しそうに顔を綻ばせた。
「星座にもそれぞれ神話があったんだな、とても面白かった」
「気にいってもらえたなら良かったよ。どの星座の神話も、遥か昔の異国の地から海を渡って、現代のこの国にも伝わる程、多くの人に愛された物語だからね」
ストールの青に広がる星空を線で結んでは、星座の星の名前や神話を数十分に渡って国広に語って聞かせ、ようやく一通り話し終えた山姥切は一息ついてから国広に感想を求めた。
目を輝かせて自分を見つめる国広の表情を見て、山姥切は満足そうに笑うとストールに広がる星空に手を伸ばした。
「……こうして空を見上げて、星座を眺めてそれぞれの物語を思い返すと、何か壮大な絵巻物でも読んでいる様な気分になる」
「そうか。あんたが夜に出陣する時に空をよく見ていたのは、星を見ていたんだな」
夜に向かう出陣や遠征途中のちょっとした小休止の時に、時々山姥切が部隊からひっそりと姿を消す事がある。
国広が同じ部隊に配属された時に、彼を呼ぶために辺りを探すと、大抵は部隊の刀達から少し離れた静かな場所でたった一振り、空を見上げていたのだ。
その表情は柔らかく細められた目元に微笑をたたえていて、そして時折ほんの少しだけその笑みが翳り、どこか寂しげにも見えていた。
もしかしたら仲が良かった役人の事でも思い出していたのかもしれない。
「その政府の役人とは今でも会っているのか?仲が良かったんだろう?」
「いや、本丸に配属になってからは連絡を取ってはいけない決まりだからね。ここに来て以来は会っていない。彼が息災であれば、それで構わないよ」
そう言った山姥切は、あの一振りで夜空を見上げていた時と同じ表情を浮かべていた。
「そうなのか……なあ、山姥切」
「何かな」
「……また、星座の話を聞いてもいいだろうか。こうしてこの夜空を見ながらでもいいが、本物の夜空を見ながらでも」
「…………そうだなあ……それを肴にまた酒を飲むのも楽しそうだね」
国広の誘いに山姥切はしばらく呆けた顔をしていたが、やがて嬉しそうに顔を綻ばせた。
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