布つくも
大倶利伽羅の部屋から出ると、部屋に入った時は明るい青空だったが、今では薄暗い青に色を変えていた。
そんな空を見上げながら廊下を歩き、本丸でも比較的人通りの少ない自分の部屋へたどり着いた。
中に入って灯りを付けると、国広が纏っていた布の裾が僅かに波打った。
「起きたか?饅頭」
国広が自分に纏う為の紐を解いて床に下ろしてやると、ただの布は裾をぱたぱたさせながら形を取り始め、数秒もすればいつもの饅頭になった。
「もうすぐ夕餉の時間だが、部屋で休んでおくか?」
饅頭の正面にしゃがんで国広が尋ねると、饅頭は少し考えた様にフードの部分を左右に揺らすと、ぺしゃりと床に身を伏せた。
どうやらここで休む事に決めたらしい。
「そうか。ここだと誰かが来て踏まれるかもしれないから、押入れの布団を出すから中で休むといい」
再びただの布に戻りそうな饅頭を尻目に、国広は押入れから自分の布団を取り出し、奥の方にいくつか積んである来客用の座布団の一つを開いた場所に移動させて、そこに饅頭を移動させた。
饅頭は自分にとって一番収まりのいい姿勢を見つけると、再びただの布の状態に戻った。
「おやすみ饅頭」
饅頭が起きた時に暗すぎず且つ外に出やすいように、国広は押入れの襖を僅かに隙間ができるように閉めると、遠くで夕餉を知らせる声を聞こえてきた。
饅頭が起きないように足音を潜ませながら、国広はそっと部屋から出ていった。
そんな空を見上げながら廊下を歩き、本丸でも比較的人通りの少ない自分の部屋へたどり着いた。
中に入って灯りを付けると、国広が纏っていた布の裾が僅かに波打った。
「起きたか?饅頭」
国広が自分に纏う為の紐を解いて床に下ろしてやると、ただの布は裾をぱたぱたさせながら形を取り始め、数秒もすればいつもの饅頭になった。
「もうすぐ夕餉の時間だが、部屋で休んでおくか?」
饅頭の正面にしゃがんで国広が尋ねると、饅頭は少し考えた様にフードの部分を左右に揺らすと、ぺしゃりと床に身を伏せた。
どうやらここで休む事に決めたらしい。
「そうか。ここだと誰かが来て踏まれるかもしれないから、押入れの布団を出すから中で休むといい」
再びただの布に戻りそうな饅頭を尻目に、国広は押入れから自分の布団を取り出し、奥の方にいくつか積んである来客用の座布団の一つを開いた場所に移動させて、そこに饅頭を移動させた。
饅頭は自分にとって一番収まりのいい姿勢を見つけると、再びただの布の状態に戻った。
「おやすみ饅頭」
饅頭が起きた時に暗すぎず且つ外に出やすいように、国広は押入れの襖を僅かに隙間ができるように閉めると、遠くで夕餉を知らせる声を聞こえてきた。
饅頭が起きないように足音を潜ませながら、国広はそっと部屋から出ていった。