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すべてを燃やして零に戻る



何故、どうして、悲しい、つらい、痛い、くるしい、ユるさない、にくい、憎い、ニクい、にくい、にくい、ニクイ、ニクイニクイ!!

ぐちゃぐちゃで、どろどろした感情に、目の前が真っ赤になって

あんなに疲労で動かなかった身体が、怪我で痛くて鉛の様に重かった足が、全て解き放たれたかのように一気に軽くなった


殺す

絶対に殺してやる

それだけしか考えられない

追いかけていると、影みたいな何かが前に立っていた

そいつを庇うつもりなのか

何かしゃべっている

うるさい

うるさいから、全部斬った

邪魔をしたから斬った



ああ、ようやく追い詰めた

何か言っている

今更こいつは何を言っているのだろう

腕を刺す

血が噴き出て叫び声を上げた

うるさい

足を刺す

地に落ちた芋虫みたいに、びたびたとのたうち回る

もう片方の足も刺す

うるさい

こっちに向かって手を伸ばしてきたから、その真っ赤で汚い手も斬り飛ばしてもう一度刺す

刺す、刺す、刺す

そいつが動かなくなるまで、何度もそれを繰り返した



ああ、うるさい

断末魔が耳から離れない

うるさい

熱い

痛い

振り払うために走った

うるさい

痛い、苦しい

うるさい

熱い、息ができない

うるさい


ずっと誰かが叫んでいるみたいで

身体中焼かれているみたいに痛くなって

耳に入ってくる音が全部うるさくて

もう何もかもが煩わしくて、目に入った物は全部斬った

何を斬っているのかも分からないまま、静かになるまで走っては斬ってを繰り返した

そうしている内に叫び声の正体が、自分の叫び声だとようやく気付いた

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