氷肌玉骨 ~氷のような君との物語~
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年が明け、俺たちXはメジャーデビュー。彼女と別れてからバンドを打ち込むようになった。2枚目のアルバムで60万枚以上のセールスが記録した。
別れてから5ヶ月の時に俺の元にやってきたのは、帝国歌劇団の娘役トップスターの青山 七海(後のSpread Beaverのドラマー・姫宮 希美の母)だった。
彼女はマリアと親しかったメンバーで、マリアから彼女のことは聞いている。
何しに来たのかというと、
「マリアさんと、やり直してください・・・。」
と俯きながら言っていた。やっぱりマリアのことだった。
すると、
「マリアさんが、なんで、あなたと別れた理由を知ってますか・・・?」
「え・・・?」
「マリアさん、”妊娠”してるんです・・・。あなたの子供を・・・。」
「ッ・・・!?」
彼女が言ったことは、マリアが妊娠していたことだった。
「今は8ヶ月なんです・・・。後2ヶ月で生まれるんです・・・。」
話によれば、付き合って5ヶ月ぐらい経った時に体調が優れなくて、病院へ行き、検査結果は妊娠3ヶ月だった。
マリアは俺に報告しようか迷っていたが、俺の迷惑をかけたくないからとマリアから別れを切り出した。
妊娠・・・、俺の、子供・・・?確か、会ったのは8ヶ月前で、最後に会ったのは5ヶ月前・・・、じゃあ、あの時の彼女は・・・!!
「マリアさんは、まだ、あなたのことを想ってます・・・。
あなたのおかげで、マリアさんはやっと、私たちに心を開いてくれたんです・・・。悔しいですが、マリアさんのことを幸せにしてくれるのはあなたしかいないって・・・。」
そして、彼女が渡された紙には住所が書いてあった。
「マリアさんが住んでるマンションの住所です。今は産休中でここにいるんです。私もたまに様子を見に行くんです。」
俺は彼女と、マリアといた日々を思い出し、
やっと心から笑ってくれるマリアの笑顔・・・。彼女を幸せにしたい・・・。生まれてくる子供と一緒に・・・。
俺は意を決し、タクシーを拾い、乗るとここの住所までお願いと言うと、すぐに出発してくれた。
数分後・・・、
彼女が住むマンションに着き、タクシーを降り、マンションに入った。彼女が住んでる部屋に着き、インターホンをを押すと、
ガチャと中の鍵が開くと、5ヶ月前より既にお腹が大きくなっているマリアの姿があった。
マリアside
彼には迷惑をかけたくない・・・。
小さい頃は一時期日本に住んでたけど、「混血」「ハーフ」が原因でいじめられ、ロシアに住んでた時はそんなことはなかったのに、こんなにも差が違うと絶望した。
そんな傷ついてる私を優しくしてくれたのは両親だった。いつも、私の味方でいてくれて、泣いてる私に慰めてくれた。
私はそんな両親が大好きだった。けど、小学校高学年に上がる頃に、父が亡くなり、翌年には母も亡くなった。
両親が亡くなった後、父方の祖父母に預けられた。母方の祖父母は私を忌み嫌っていて、私はそんな人が嫌いだった。
父方の祖父母は私に優しくしてくれて、両親の分、愛情を注いでくれた。貧乏だったけど、私を可愛がってくれる祖父母がいるだけで幸せだった。そんな時に出会ったのが、父の知り合いであり、兄のような存在で私の初恋の相手だった。
私のことをよくしてくれていて、妹のように可愛がってくれていて、幸せな日々だった。けど、私が13才の時に、彼は交通事故で亡くなったと訃報が入った。当時の私はすごくショックを受けた。
彼が生前につけていたペンダントを今でも肌身離さず持っている。
翌年には祖父母も亡くなり、愛する人を失った私はその日から、二度とトラウマを思い出したくないと心を閉ざした。
その後、アメリカに住む心優しい母方の叔母夫婦に引き取られ、悪いグループとつるむようになった。その時の私は自暴自棄で毎日喧嘩に明け暮れていた。
3年間アメリカに住んでいたが、ある人物がスカウトされた。
それは帝国歌劇団のスカウトマンだった。
私は日本でのトラウマがあり、断ったけど、スカウトマンの熱烈に負け、スカウトを引き受けることになった。
叔母夫婦とは別れ、私は日本に行き、そこで始まったのがデビューに向けて、ダンス、歌、演技のレッスンだった。
私は小さい頃は女優とか興味なかったけど、
「あなたには背が高いし、男役の素質がある。それを武器に目指すのはどう?今まであなたをいじめてた奴らに見返すチャンスよ。」
って言ってくれて、何もできなかった気弱だった私にその思いが芽生え、レッスンを猛特訓した結果、トップスターへと急成長した。
高校は当然、通わなかった。学校に対する嫌な思い出があったから。
トップスターになった私を見たのか、今まで私をいじめてた人たちと母方の祖父母が来ていて、握手とサインを求めたが、断った。
「私のことをいじめてたのに、手のひら返しとは卑劣にも程があります。」
と言うと悔しそうな顔をしていて、それを見ていた私のファンの子達があの人達を追い出してくれた。それ以来、来なくなった。
もう恋はしないだろうと思ったある日、5月公演の「愛ゆえに」の上演後にメンバーであり、私の最大の理解者である七海がお客様を連れて来たと言うとそこには派手なロン毛の金髪にサングラスをしていた男女の2人だった。
それが彼との出会いだった。
続く