後編
それからスンリは、日本にいる間はジュリの父として過ごした。俺が仕事で遅くなった時に帰ってきたら、スンリがいて、わざわざご飯を作ってくれた。その味は俺より美味かった。
ジュリはスンリの料理に美味かったのか、あっという間に完食した。
たまたま休日が一緒にかぶっていて、ジュリちゃんと一緒に買い物に行った。ジュリはずっと、家に帰るまで上機嫌で楽しかったみたいだったから、よかったと思ってる。
そして、スンリが日本の仕事が終え、期間限定の家族として過ごす日が最後の日になり、最後というので今日の晩ご飯はいつもより豪華でご飯がいつもより楽しい時間を過ごした。
もう、スンリとは会うこともないし、ちょっとの時間だったけど・・・、スンリ的には良い経験にもなったみたいだ・・・。
俺は寂しい心を押し殺し、ジュリに笑顔で話しているスンリの顔を横目でみた。
食べ終わり、食後のコーヒー、デザートを食べてる時にスンリが何故か俺の隣に座り、真剣な顔でジュリを見た。
ス「(ジュリちゃん、君には言わなきゃいけないことがあるんだ・・・。)」
ジュ「(ん?何?)」
ス「(俺は前に君に、実父のことをどう思うって話したでしょ?)」
ジュ「(うん、してたけど・・・、何?)」
ス「(ジュリちゃんにはショックかもしれないけど・・・、君の実のお父さんは、俺なんだ・・・。)」
ジュ「(ッ・・・!!)」
「ス、スンリ・・・!?」
スンリの予想外の告白で俺は慌てて、ジュリを否定した。
「(ち、違うんだぞ・・・!ジュリ、スンリは嘘ついてるんだ・・・!!)」
ス「(黙っていてごめんね・・・。11年前に、君のお母さんと再会した時には、まだ小さかったジュリちゃんがいて・・・、ジュリちゃんが生まれる前に、BIGBANGっていうグループで君のお母さん、スンヒさんとは、お互いに先輩後輩の関係であって、恋人としてお付き合いしていました・・・。
けど、僕の浮気が原因で・・・、僕たちは別れたんだ・・・。別れてすぐに、スンヒさんはグループを脱退したんです。多分、君を産むためだった・・・。別れた後も、ずっと後悔をしていたんで・・・。他の女性を付き合っても、まだ、スンヒさんのことをまだ愛してて・・・。15年経った今でも・・・。
別れてから4年経った時に、たまたまスンヒさんと再会して、その時にジュリちゃんを見て、俺の子だって確信したんだ・・・。君に寂しい思いしてしまったことと・・・、君のお母さんを傷つけてしまったことに本当に反省してる・・・。
ジュリちゃん、本当にごめん・・・。)」
スンリは頭を下げ、ジュリに謝った。
ジュ「(・・・お母さん、スンリパパが、私のお父さんって、本当なの・・・?)」
「(ッ・・・。)」(コクリ)
俺は居たたまれなくなり、ジュリに「そうだ」と頷くことしかできなかった。ジュリは顔を俯いた。
ジュ「(・・・けんな。)」
ス「(えっ・・・?)」
「(・・・?)」
ジュリは顔を上げると泣きそうな顔になりながら、スンリをビンタし、スンリはビンタの勢いで尻餅をつき、ジュリはスンリの胸ぐらを掴み、
ジュ「(ふざけんなよ・・・!!お母さんが、あんたに捨てられて、今までどれだけ辛い思いしたか、苦労したかわかってんの・・・!?あんたはずっと、お母さんのことが好きでやっと付き合えたのに、お母さんを裏切って浮気してたって、お母さんがどれだけショックを受けたと思ってるの・・・!?)」
俺は普段怒らないジュリがこんなに怒ってる姿を見たのは初めてだった。
「(ジュ、ジュリ・・・、やめろ・・・!)」
ジュ「(お母さんは黙ってて・・・!私は、お母さんの代わりに怒ってんの・・・。お母さんはずっと、あんたのことをずっと思ってたんだよ・・・。別れた後も、ずっとあんたのことを愛してることも・・・。)」
ス「(えっ・・・?)」
「(ジュ、ジュリ・・・?)」
ジュ「(昔、夜に目が覚めた時に、お母さんが写真を見ながら悲しそうな顔をしてた・・・。お母さんがいない間にこっそり写真を見た・・・。あんたとお母さんと一緒に映ってた写真を・・・。今でも、たまに目が覚めた時にお母さんはその写真を見てるんだよ・・・。たとえ裏切られても、まだ好きなんだって・・・。)」
ス「(ッ・・・!!)」
「(・・・。)」
まさか、見られてたなんて・・・。しかも、あの写真を・・・。
ジュ「(私は、あんたのことを今でも恨んでるよ・・・。けど・・・。)」
するとジュリは今までこらえてた涙が頬をつぅと伝い、
ジュ「(本当はあんたに、お父さんに会いたかった・・・。)」
ス「(えっ・・・?)」
「(ジュリ・・・?)」
ジュ「(小さい頃から、ずっと、お母さんと2人だったけど・・・。他の子とお父さんと楽しそうなのを見てて、「なんでうちには、お父さんがいないの・・・?」ずっと思ってた・・・。なんで、私たちに会おうとしてくれないの・・・、お母さんは、なんで、お父さんのことを話そうとしないのって・・・、ずっと、思ってた・・・。大人って、本当にヒドいよ・・・。
お父さんも、お母さんも・・・!子供のため、我が子のためだからって、お父さんと別れ、会わせようとしてくれなかったお母さんも・・・!お母さんがいるのに、他の女性と浮気していたお父さんも、ヒドいよ・・・!大嫌いだよ・・・!!)」
今までの寂しい思いと俺たちに対する不満が爆発し、子供のように泣いてるジュリを見て、俺もスンリも何も言えなかった。
普段からわがままを言わないジュリが、そこまで、思い詰めてたなんて・・・、俺は・・・。
スンリside
ジュリちゃんは部屋に戻った後、出てこなかったので部屋に行くと泣き疲れたのか、眠っていた。
タ「どうだった?ジュリは?」
「泣き疲れて、寝てました・・・。」
タ「そっか、普段からわがままを言わない子だけど、いくら中学生でも、まだ子供だし、我慢させてしまったのは、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだな・・・。」
「・・・ヌナ、俺の話を聞いてくれますか?」
タ「ん?」
俺はジュリちゃんがさっき言ってたことが気になり、ヌナに問いだした。
「さっき、ジュリちゃんが言ってた事なんだけど、ずっと、俺のことを想ってたのと、俺と付き合ってた時のツーショットの写真を見たって・・・、言ってましたけど・・・、まだ、持ってたんですね・・・。」
タ「・・・あれは、捨てるに、捨てられなかっただけだ・・・。写真には、罪がねぇからな・・・。」
「けど、それを見て悲しそうな顔をしてたって・・・、俺のこと、まだ愛してるってことですよね・・・?」
タ「・・・そうだ。お前と別れて15年経った今でも、俺はお前を、スンリを忘れられなかった・・・。どんなに裏切られても・・・、嫌いにはなれなかった・・・。あの時のスンリが俺に必死で諦めずに告白してる姿が忘れられなかった・・・。」
「ジュリちゃんを産んだのは、俺の子供だったから・・・?」
タ「あぁ・・・。」
「なんで・・・、あの時、言ってくれなかったんですか・・・。」
タ「・・・言うわけねぇだろ!?お前と喧嘩別れして、別れた後にお腹の中に既にジュリがいたんだ・・・!それを「妊娠しました!」って、そんな軽く言えるわけねぇだろ・・・!?」
「ッ・・・!!」
タ「だから・・・、俺はグループを脱退して、韓国に離れたんだ・・・。ジュリを産むために・・・。ジュリを産むために、俺がどれだけ、苦しい思い、辛い思いをしたのか・・・。」
俺は泣いてるヌナの姿を見て、とっさにヌナを優しく抱きしめた。
あぁ・・・、ヌナだ・・・。久しぶりの香りだ・・・。
「ヌナ・・・、俺の話を聞いてくれますか・・・?」
