短編
上田side
俺は次のオフの日を機に病院に行った。色々と検査をし、検査結果を待った。そして、検査結果が出て、診察室に呼ばれると、信じられないことだった。
「えっ・・・?冗談ですよね・・・?」
医「いえ、あなたは妊娠されています。」
と医師は至極真面目な表情でさらっと爆弾発言を告げた。
俺が・・・、妊娠・・・?ウソだろ・・・!?
医「こちらの科では詳しい検査ができませんので、産婦人科へ話を通します。そちらへ行ってみてください。」
「あっ、はい・・・。」
そう言われた俺は産婦人科に行くと、女性だけではなく、男性の妊婦さんもいた。俺はその光景に驚くのも無理はなかった。
俺の出番が来て、検査を受けてもらい、検査結果は同じく、妊娠していると告げられた。
「でも、俺は男ですよ・・・!?男が妊娠するわけないですよね・・・!?」
女医「近年、男性でも妊娠している人が多いですよ。」
と女性医師がさらっと爆弾発言を告げた。
本当に・・・、いるんだ・・・。俺とチャンミンの子供が・・・。ここに・・・。でも、せっかくお互いにグループの活動を再開したのに・・・。なんてタイミング悪いんだ・・・。
俺は嬉しいのとタイミング悪いのイラつく複雑な気持ちだった。
せっかくより戻ったのに・・・、チャンミンに言ったら、また俺たち、離ればなれになるのか・・・?そんなのやだよ・・・!!メンバーにも家族にも、チャンミンにも言えない・・・!!
俺は一体どうしたらいいんだ・・・!?
俺は自宅に帰った後、どうしたらいいのか分からなくなり、涙が枯れるまで泣いた。
結局俺は一晩中泣き続けて、幸いにもオフだったから。メンバーに俺の泣き腫らした顔を見られずに済んだ。
「ごめんな、チビ・・・。今日は散歩っていう気分じゃないんだ・・・。」
俺のこと心配して、寄りかかってきたチビに散歩行けなくてごめんと謝りながらチビの頭を撫でた。するとチビは俺の膝の上に乗ってきて、俺のお腹に寄りかかるように座った。
もしかして・・・、俺のお腹の中に子供がいるってことが、わかってんのか・・・?あ、そういえば前にテレビで「犬は人の妊娠を察知できる能力がある。」って聞いたことがあったな・・・。もしかしたら、チビは子供がいるのわかって、俺のお腹に寄り添ったのか・・・。
「チビは、俺が妊娠していることを・・・、受け入れてくれてるのか・・・?」
チビの頭を撫でながら問いただすと、チビは「もちろんだよ。」と返事をしたかのように「クゥ~ン・・・。」と鳴いた。
「フフッ、ありがとな、チビ・・・。そうだよな・・・。いつまでもウジウジしてる場合じゃないよな・・・。ちゃんとチャンミンに話し合って、話をつけなきゃいけないな・・・。もし、アイツが堕ろせって言われても、俺1人で産んで育てる・・・。」
堕ろそうとは思ってたけど、せっかく授かった命だから・・・。俺とチャンミンの子供・・・。
そう考えていると俺のスマホから着信が鳴った。通話の相手はチャンミンからだった。俺はチャンミンからの電話で咄嗟にスマホを取り、通話ボタンを押した。
「もしもし、チャンミン。どうしたんだ?急に電話なんて。」
CM『あぁ、実は今仕事で日本にいまして、明日、マネージャーが2日間オフをもらいまして、久しぶりに竜也に会いたいですが、いいですか?』
「そうなんだ。いいけど、2日間っていつなんだ?」
CM『〇日から△日までです。』
「〇日は明日までオフで。△日は夕方から仕事だから。〇日で大丈夫か?」
CM『はい。いいですよ。』
「ありがとう・・・。実は・・・、言いたいことがあるんだ・・・。言わなきゃいけないこと・・・。」
CM『はい?なんですか?』
「・・・昨日俺、病院に行ってて、最近体調が悪いから・・・。」
CM『えっ!?病院・・・!?竜也が・・・!?どっか悪いですか・・・!?』
「ううん、検査の結果は病気とか悪いとかじゃなく・・・、信じられないかもしれねぇけど・・・。」
CM『信じられないこと・・・?』
俺は意を決し、包み隠さず話した。
「うん・・・。実は俺、妊娠してるんだ・・・。」
CM『・・・。』
チャンミンは俺の言葉にきっと頭の中が『?』になっている。
「・・・それで、父親は、お前だよ。チャンミン・・・。」
CM『・・・えっ?嘘ですよね・・・?』
「嘘じゃねぇよ・・・。俺が嘘つけねぇの知ってるだろ・・・?とにかく明日、俺の家に来て話し合うぞ・・・。じゃあな・・・。」
そう言うと俺は通話を切った。
メンバーにも言わなくちゃ・・・。俺が妊娠してるってことを・・・。
俺はメンバーのグループLINEで「俺の家に来てほしい。」と送った。
数十分後、メンバーを待つと玄関からドンドンドンドンと激しく叩く音と、何度も鳴らすチャイムの音が響いた。
「な、なんだっ・・・!?とにかく近所迷惑になるから・・・。」
俺はイタズラ野郎かと思い、怒鳴ろうと玄関に向かい、鍵を開けた瞬間、俺が開けるのも待たず、ドアの向こう側に勢いよく開かれた。
そして、ドアを開けた奴が勢いよく俺に抱きしめた。
CM「はぁ・・・。竜也・・・。」
「えっ・・・?」
その正体は、明日会うはずだったチャンミンだった。
