短編


CMside

その後、僕は久しぶりに竜也を抱いた。別れてから7年分を埋め尽くすように。竜也も僕を受け入れ、僕に抱かれながら「チャンミン・・・、好き・・・。」って小さい声で言った。

ふと目が覚めると、一緒に寝ていたはずの竜也がいなかった。

僕はベッドに起き上がり、キョロキョロしていると洗面所からガチャと開ける音がし、シャワーを浴びたのか髪をガシガシ拭いて、下半身をタオルで巻いている姿の竜也が出てきた。

上「あ、起きたか。悪ぃ、シャワー借りたぞ。」
「あ、いえ・・・。それはどうぞ・・・。」

出会った時から変わらない華奢な体型だけど、7年前より筋肉が付いていて、今の容姿にピッタリだった。

上「・・・ん?なんだ?」
「いえ・・・、また筋肉がよりついてるなぁと思って・・・。まだ続けてるんですか?ボクシング・・・。」
上「あぁ、そうだな・・・。変わらず続けてるし・・・。今、体育会系の番組のレギュラーとして出演してるからな・・・。」
「そうですか・・・。もう、あの頃の容姿にはならないつもりですか・・・?」
上「いや、普通に考えて見ろよ。俺はもうアラフォーだし、今やると痛いに決まってるだろ?」
「あは・・・、ですよね・・・。」

僕が苦笑しながら言うと、竜也はベッドに座り、切なそうな顔で僕を見て、

上「チャンミンはやっぱり、あの頃の俺がいいのか・・・?」
「えっ・・・?」
上「確かにあの頃の俺は、中性的でかわいくて、女の子みたいな見た目だったし・・・。今の俺の姿には・・・、興味ないか・・・。」
「い、いえ!!そんなことはありません・・・!!」

僕はそう言うと竜也を思いっきり抱きしめた。

「確かにあの頃の僕は・・・、女の子みたいな容姿の竜也に一目惚れしました・・・。でも、昔と今の容姿なんて関係ない、どんな姿になっても、僕は昔と変わらず、竜也を愛してます・・・。」
上「・・・。」

僕がそう言うと竜也は僕の背中に手を回し、ギュッと抱きしめてくれた。

上「俺も・・・、チャンミンのこと、愛してる・・・。」
「ッ・・・!!」

僕は竜也の告白で嬉しくなり、竜也の唇にそっとキスをした。









上田side

それから、俺はチャンミンと元サヤになり、また付き合う事になった。その報告にメンバーも未来も、おめでとうって笑顔で祝ってくれた。

年が明け、俺たちKAT-TUNは充電期間も明け、活動を再開した。

久しぶりの遠距離恋愛だけど、たまに電話とL〇NEでやりとりをしているし、日本に来た時には、体を重ねることもあった。

あの日から5ヶ月が経ったある日、テレビ局での事。

?「あれ?竜也~!」
「ん?あ!ジェジュン!」

話しかけられたのは、東方神起の元メンバーのジェジュンだった。

JJ「久しぶりだね~!元気にしてた?」
「おぉ、お前も元気そうだな。」
JJ「うん!やっぱり、久しぶりの日本は最高だよ!」
「昔は色々あったからな・・・。」
JJ「あっ・・・!俺、竜也に謝りたいことがあるんだ・・・。」
「ん?謝りたいこと・・・?」

俺はジェジュンの言葉で頭が「?」になっていると、ジェジュンが深々とお辞儀をし、

JJ「あの時は、本当にごめん・・・!俺たちの問題に巻き込んだせいで2人が別れてしまったことに・・・!!」
「えぇ・・・!?そ、そんな・・・!!いいんだよ、気にしてねぇから・・・!!」

急に謝られて、俺は”気にしてないから謝らないでくれ”とジェジュンに言った。俺たちの行動が周囲に怪しまれると思い、ジェジュンの楽屋に入った。

「JJユノから話は聞いたよ・・・。俺たちが脱退後にすぐ、2人は別れたっていうの・・・。それを聞いた俺たちは、すごく罪悪感があって、すぐチャンミンに謝ったんだ・・・。後、竜也にも申し訳ない気持ちでいっぱいだった・・・。また、竜也に会ったら謝りたいって・・・。」
「・・・そうだったんだ。」
JJ「でも、2人はまたよりを戻したんだっていうのを、ユノから聞いてて・・・。本当によかったって心から思ってるんだ・・・。ユチョンもジュンスも・・・。おめでとう・・・。本当に・・・。」
「・・・ありがとな。」

ジェジュンは泣きながら、俺たちの復縁におめでとうって言った。

「・・・でも、なんで急にユノが出てきたんだ?お前ら、ずっと会ってないだろ?」
JJ「あぁ、実は・・・。」

ジェジュンは自分のスマホを取り出し、俺に写真を見せた。そこにはジェジュンそっくりな女の子が写っていた。

「ジェジュン・・・、その子は・・・?」
JJ「俺の、娘なんだ・・・。」
「へぇ~・・・えっ・・・!?ジェジュン、お前・・・、本気で言ってるのか・・・!?」
JJ「うん。ちなみに産んだの俺だから・・・。父親はユノなんだ・・・。」
「えっ・・・!?」

ジェジュンの衝撃発言に俺は目を見開きながら、ジェジュンを見た。

JJ「実は・・・、脱退、別れてから2年後に俺たちは再会したんだ・・・。今は元サヤになって、すごく幸せなんだ・・・。」
「・・・。」
JJ「だから、竜也の気持ちもよく分かるんだ・・・。別れたけど、まだ好きと愛してるの感情が残ってるっていうの・・・。」
「それで・・・、再会してどうなったんだ・・・?」
JJ「えっ・・・!?再会した日にちょっと・・・、ウフッ・・・!!///」

ジェジュンは再会した日を思いだしたのか、顔を真っ赤になりながら照れ始めた。

「お持ち帰りしちゃった系・・・?」
JJ「・・・。///(コクリ)それで・・・、その後は連絡先だけ交換して、そのまま別れたけど・・・。あの日から3ヶ月後に妊娠が発覚して、父親はユノだって確信したんだ・・・。その子のおかげで、俺たちはユノとチャンミンとまた会うことができて、また仲間の絆が取り戻せたんだ・・・。」

ジェジュンは娘さんの写真を愛おしそうに見ながら話した。

母親って・・・、顔してるな・・・。男だけど・・・。
ん?でも、俺が最後にチャンミンとセ〇クスしたのは3ヶ月前・・・。

JJ「どうしたの?竜也。」
「いや、ジェジュンの話を聞いて、3ヶ月もチャンミンと会っていねぇなと思って・・・。それに・・・。」
JJ「それに?」
「最近、体調の調子が悪くて・・・。ご飯の匂いだけで気持ち悪くなるし・・・。食欲も湧かねぇし・・・。食べただけですぐ吐き気もするし・・・。」
JJ「・・・ッ!!竜也、それって・・・!?」

ジェジュンは俺が言った事に何か分かったのか、俺の肩を自分の手に置き、

JJ「それ・・・、俺も同じ経験をしたんだ。その症状は・・・、竜也、驚くかもしれないけど、君は妊娠しているんだ・・・。」
「・・・えっ!?」

ジェジュンの発言に俺はまた目を見開いた。

「う、嘘だろ・・・?」
JJ「間違いないよ・・・!俺が娘を妊娠した時と同じ症状なんだ・・・。それに、先生の話だと「近年、男性でも妊娠してる人が増えた。」って言ってた。」
「・・・。」

俺の腹の中に・・・、チャンミンの子供が・・・?

JJ「とりあえず、病院に行った方がいいよ。手遅れになる前にしっかり診た方が早いよ。」
「・・・。(コクリ)」

俺はジェジュンの言葉で頷くしかなかった。その後、俺たちは久しぶりに連絡先を交換してから別れた。



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