短編
ライブ当日、人生で初めての東方神起のライブ。今まではKAT-TUNの仕事が忙しくてライブには行けなかったけど、今回が初めてだった。こんな間近に見られるってことは。
楽しそうにきゃあきゃあ言っている未来に対し、俺は緊張で楽しめる気分ではなかった。
未「竜兄、体ががちがち~!」
「だって、こんな近くとは全然思わなかったぞ・・・!」
未「そういうもんだよ~!竜兄だけじゃなくてライブの時に最前列のお客さんもこういう気持ちかもしれないよ!」
「そ、そうなのか・・・?」
ファンの女の子達も・・・、俺たちのライブの時はいつもこんな感じなのか・・・。
キャーキャー!!
そう思ってると辺りが暗くなり、観客からの声が聞こえた。
そして、オープニングの映像が流れ、2人が登場した所でライブがスタートした。初めてのライブだったけど、除隊後も変わらず2人が輝いて見えてきて、釘付けになる自分がいた。
除隊前と変わらない人気ぶり・・・。皆、チャンミン達を待ってたんだ・・・。
ずっと見ているとチャンミンは俺と目が合い、俺に気づいたのか俺を見て、目を見開いてたけど、すぐにそらされた。
もしかして・・・、俺だと気づいたのか・・・?
曲が終わり、次の曲が失恋ソングでも人気の「どうして君を好きになってしまったんだろう?」俺は2人の歌声を聞いて、まだ幸せだった頃の思い出が蘇ってきた。
回想
CM「竜也!誕生日おめでとうございます。」
「えっ?ありがとう。てかなんで俺の誕生日を知ってんだ?言ったっけ?俺・・・。」
CM「いいから。開けて下さい。」
「ん、わかった・・・。」
パカ・・・。
受け取った箱を開けると、黒い宝石がうめこんでるクロスのネックレスが入っていた。
「うわぁ・・・、かっこいい・・・!はっ!?ティファニー!?こんな高価なの・・・。いいのか・・・!?」
CM「いいんです。僕からのプレゼントです。貸して。つけてあげます。」
渡されたネックレスをチャンミンに渡すと「後ろ向いて下さい」と言われ、竜也は後ろを向くとチャンミンは丁寧にネックレスをつけてくれた。
ジャラ・・・。
CM「はい。できました。」
そう言われ、竜也は振り返ると、
「うん。やっぱり似合ってます・・・。」
と微笑みながら言った。
「あ、ありがとな・・・。///」
CM「いえ、喜んでもらってよかったです!」
回想終了
♪もうどうして…君を好きになってしまったんだろう?あの頃の僕らのことを(もう戻れない)考えた…(もう戻れない)考えた…
曲のサビを聞きながら、昔チャンミンが俺の誕生日の時にくれたネックレスを握りしめながら、歌ってるチャンミンを見た。
時々チャンミンが・・・、こっちを見てくれてる気がしたけど・・・。その目はすぐに・・・、どこか別の所に向けられてしまった・・・。
♪永遠に君が幸せであること ただ願ってる(たとえそれがどんなに寂しくても)辛くても…
