鬼の嫁入り
「じいちゃん・・・、ばあちゃん・・・。姉さん・・・。」
祖父・祖母・姉「「「スンヒ!!」」」
じいちゃん達は俺を見て、駆け寄ってきて、俺を優しく抱きしめた。
祖母「スンヒ・・・!あぁ、よかった・・・!!」
祖父「お前が、鬼の里にいると若頭様から電話があって、わざわざ、車を送迎してくれたんだ・・・!」
「え・・・?」
俺はチャンミンを見るとチャンミンは優しい笑顔で俺を見た。
まさか、チャンミンが・・・!?
姉「あなた、あの家を出たのね・・・。」
「あ、ごめん・・・。」
姉「いいのよ。こっちこそ、私が頼りないせいで、スンヒを苦しめてしまって、ごめんね・・・。」
祖父「私たちも、本当にすまなかった・・・。」
祖母「本当に、ごめんなさい・・・。スンヒ・・・。」
じいちゃんたちは俺に謝りながら、頭を下げた。
「いいんだ・・・。じいちゃんとばあちゃん、姉さんはいつも、俺の味方にしてくれるから。それに、この里の鬼の皆のおかげで、外部の人間である俺に、快く迎えられてくれたから・・・。」
姉「あなた、そのお腹・・・。」
「うん・・・。そうなんだ、俺、妊娠してるんだ・・・。若頭のチャンミンの子を・・・。」
祖父「じゃあ、貴方が・・・!?」
チャ「はい。」
チャンミンは俺の側に行き、俺を抱き寄せた。
チャ「10年前に約束したんですよ。花嫁として迎えに行くって。」
祖母「そうなの・・・。あぁ、よかった・・・!スンヒ自身を見てくれる人がいたなんて・・・!」
「ばあちゃん、泣かないで。」
チャ「もし、良ければの話なんですけど、おじい様とおばあ様、そして、お義姉さん。もし、スンヒに会いたい時は会えるようにしますから。いつでも、ここに来て下さい。父さん達と里の皆は大歓迎です。」
「ッ・・・!!」
チャンミン、そこまで、してくれるなんて・・・。
祖父「あ、ありがとうございます・・・!!」
祖母「もちろん、来ます・・・!!」
姉「あ!けど、父さん達には内緒にしとくからね。」
「それは助かる・・・。けど、バレたら大変・・・。」
チャ「大丈夫です。幻術を使える鬼の一族もいますから。」
「そ、そうなんだ・・・。なら、安心・・・。」
祖父「若頭様、どうか、孫を幸せにしてあげて下さい・・・!」
じいちゃんはチャンミンに頭を下げ始めた。
「じ、じいちゃん・・・!?」
祖父「スンヒは小さい頃から、辛い思いをしてきました・・・。この子には幸せになってほしいんです・・・。」
「じいちゃん・・・。」
チャ「もちろんですよ。長旅でお疲れでしょう?ここじゃなんですから、中にどうぞ。」
チャンミンはじいちゃん達に屋敷を案内し、金持ち特有の良いお菓子も用意してくれて、じいちゃん達は当然、驚いていた。
お義父様達とお話し、すっかり意気投合となった。
「チャンミン・・・。」
チャ「はい?」
「昨日、部屋に戻ったのは・・・、じいちゃん達に連絡してたのか?」
チャ「はい。実は妊娠発覚後の2ヶ月前から調べて、一昨日、やっと連絡先を見つけて・・・。そのタイミングでスンヒがあの人達のことを心配してましたから・・・。」
「に、2ヶ月前から・・・!?仕事も大変だったのに・・・!」
チャ「あの時は貴方が見つけたことが嬉しくて、祖父母や姉の存在のこと、忘れちゃったんです・・・。挨拶せずに勝手に話を進んじゃいましたし・・・、本当にごめんなさい・・・。」
「・・・謝るな、俺は嬉しいんだ。」
チャ「え?」
「だって、チャンミンは俺のためにじいちゃん達をここに連れ出してくれた事や探してくれた事、会わせてくれた事が嬉しかったんだ。本当に、ありがとう・・・。」
チャ「スンヒ・・・。」
辛い思いをした17年、こんな幸せ日が来るなんて・・・!
6/6ページ
