偽装結婚 ~愛を信じない同士の偽りという契約~


仕事も終わり、私たちはがっちゃん行きつけのお店に行き、

ガ「今日は遠慮せずに食べていいから。」
「え!?いや、そんな・・・!」
ガ「気にしなくていいよ。夫婦なんだし、それにちょっとしたお礼だから。」
「お、お礼・・・?私、何かしました?」
ガ「まぁ、そうだね。」

私、そんなことしたっけ・・・?

私は思い出そうとしても、心当たりがなかったから、思い出せなかった。

ガ「それより、もうすぐたこの天ぷらがくるよ。」
「あ!そうだった!これが一番の楽しみ~!!」

私はさっきのことは忘れて、楽しみだったたこ料理を堪能した。

こんな美味しいお店を知ってるなんて・・・。てか、たこが柔らかくて美味しい・・・!!

ガ「そういえば、たっちゃんって好きな食べ物と嫌いな食べ物とかあるの?」
「え!?そ、そうですね・・・。お肉は基本、大好きですし、後、たこは大好物で、甘い物も好きで特にミルクレープが。」
ガ「やっぱり、女の子って甘い物好きなんだね。逆に嫌いな食べ物は?」
「え”・・・!?う、うなぎと、グリーンピースが・・・。///」

うぅ・・・。うなぎはともかく、グリーンピースが未だに食べられない・・・。未だに食べられない自分が憎い・・・。

ガ「えぇ?うなぎはともかく、グリーンピース、未だに食べられないんだ。まぁ、大人になっても食べられない野菜とかあるからね。」
「ま、まぁ、そうですね・・・。アハハ・・・。そ、そういうがっちゃんは好きな食べ物と嫌いな食べ物は?」
ガ「僕はまぁ、肉は基本好きだし、辛い物も好き、ネギも好き。嫌いな食べ物はないけど・・・、やっぱり、甘い物は苦手。だけど、最近克服してる。シュークリームとかクッキーとか。」
「へぇ!意外です!甘い物が好きじゃないってイメージはありましたけど。」
ガ「ただ、甘すぎる、砂糖が多すぎる物が苦手だけで。後はコーヒーも飲めないんだ。」
「えぇ!?あ・・・!」

私はがっちゃんの意外な苦手な物に驚いたけど、思い当たる所があった。

そういえば、がっちゃんは毎朝、野菜ジュースを飲んでる所は見たことあるけど・・・、コーヒーを飲んでる所なんて見たことない・・・。

ガ「どうしたの?」
「いや、毎朝、コーヒー飲んでるイメージがあったんですけど、言われてみれば、思い当たることがあったなって。」
ガ「思い当たること?」
「はい。がっちゃんは毎朝、野菜ジュースを飲んでる所は見たことあるけど、コーヒーを飲んでる所は見たことないなって思い当たったんです・・・。」
ガ「意外にもちゃんと見てるんだ・・・。まぁいいけど。」
「けど、意外とかわいいなって思いました。」
ガ「えっ?」
「いや、コーヒーを飲んでるイメージの人が実は飲めないっていうギャップがあって、かわいいなって思いました!」
ガ「・・・。」

ポカーンと私を見て、がっちゃんは無言状態だった。

あ、あれ?怒らせちゃった・・・?

「あ、あの~・・・。」
ガ「え?あぁ、ごめん!いや、意外な反応が返ってきて、ビックリしただけ・・・。引くかなって思ってたけど・・・。」
「いえ!全然!怒ってなかったらよかったんですけど・・・!!急に無言が怖かっただけで・・・!!私、この見た目ですけど、趣味でボクシングやってるんです!」
ガ「え?こんなに華奢なのに?」
「はい!元々「はじめの一歩」っていう漫画の影響もありますし、仕事でニューヨークのボクシングジムを訪れた事がきっかけで始めたんです。今は週3でジムに通ってますし、毎日ロードワークとかもしてます。」
ガ「・・・もし、暇があったらでいいから。僕が相手してあげるよ。」
「え?」

がっちゃんの予想外の言葉に私は戸惑ってしまった。

ガ「僕の自宅にトレーニングルームがあるから、そのボクシングの相手にもしてあげるし、トレーニングをするんだったら、僕がコーチしてあげる。」
「え?いいんですか?」
ガ「うん。ただ、僕のトレーニングは厳しいから、覚悟しといた方がいいよ。体だけじゃなく、精神も鍛えた方が自分の身のためにもなるから。」
「は、はい・・・!!」

がっちゃんが私専属のコーチになってくれるとは・・・!けど、確かに厳しそうな気がするけど、これからのためにもなるかも・・・!!よぉし、誠心誠意で頑張るぞ!!


ガクトside

たこの天ぷらを美味しそうに食べてる彼女を見て、僕は思わず頬が緩んだ。

さっきテレビ局で偶然にたっちゃんがいて、ハイドを恨めしく思った僕にタイミングがよかったことがあって、僕はハイドに対するほんの仕返しのお礼で僕の行きつけの店でご馳走している。

また、新しい所も見つけた。好きな食べ物や嫌いな食べ物、趣味でボクシングやってることも。

華奢な見た目なのに、男みたいな趣味を持ってる所にやられた。
ギャップ萌えってやつ。

それを聞いた僕は思わず、「そのボクシングの相手にもしてあげるし、トレーニングをするんだったら、僕がコーチしてあげる。」って約束をしてしまった。一緒にトレーニングできると嬉しい気持ちが大きかったから。

彼女が着いて行けられるかどうか心配だけど、彼女はそこまでへこたれない子だと思ってる自分でも驚いてる。

また、彼女と一緒にいる時間が増えるってなると楽しみで仕方ない。
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