偽装結婚 ~愛を信じない同士の偽りという契約~


ガ「これで、結婚は成立だね。1年間、絶対にバレないように気をつけて欲しい。」
「・・・はい。わかりました。」

私、上田 竜姫が今、契約を結んでいる相手は、あのガクトさん。

ガ「1枚は君の控え。」

私はこの人と契約をするのにはもちろん理由がある・・・。
会うまでは想像もできなかったし・・・。

ガ「次は・・・、これにもサインを貰える?」

この人が、こんな表情を見せることも、知らなかった・・・。




赤「もう来なくていい・・・。こんな関係、終わりにしよう。」
「え・・・?なん、で・・・?」

デビュー前に私は同じグループのメンバーの仁とセフレ、所詮、身体だけの関係だった。最初、私が仁に一目惚れをしていて、私を必要としてくれるって実感した時は嬉しかったけど、徐々に寂しく、胸が張り裂けそうな気持ちに変わっていった。

情事後、私はベットに横たえて、仁の背中を見つめてる時に仁から、急に別れを切り出された。

赤「亀と付き合うことになったから。」

とサラリと残酷な答えだった。

亀とは仁と私と同じグループの末っ子、亀梨 和美だった。

まさか、2人が付き合うなんて・・・、夢だと言って欲しい・・・!!

だが、俺の願いは虚しく、

赤「・・・まぁ、そういうことだから。これからはお互いに、良い仕事仲間として、メンバーとしてやっていこう・・・。」

仁は黙り込んでる私を少しバツ悪そうにチラッと見て、ぽつりと呟いた。

こうして、私の恋は儚く終わりを告げ、裏切られるぐらいなら、もう二度と誰にも愛さないと決めた。

デビュー後、私たちは忙しい毎日を過ごしている。たまに"赤西"と亀が笑い合ってる姿を見て、胸が痛む時がある。









「ん・・・、んぅ?」

私はふと目が覚め、唸りながら体を起こし、頭を抱えた。

あー・・・、ちょっと飲み過ぎたな・・・。

デビューして1年が経ち、去年の10月にアメリカ留学に行った赤西が先週、帰ってきた。昨日はメンバーと一緒に飲みに行き、しばらく経ち、皆は酒飲んで楽しそうに話してたけど、どうも気分になれず、飲み代だけを置いて、早めに退出したが、1人で飲みたいと思って、バーで飲み直した。何杯飲んだか覚えてないぐらいに飲んだ記憶しかなかった。

「ん?・・・暗ッ!!」

私は目を開け、辺りを見渡すとビックリするほど部屋が暗くて、何も見えなかった。

てか、さっきから何の音?水が、流れる音・・・?

「なんで、水の音が・・・?ん?えっ・・・!?」

私は暗い部屋から水の流れる音に不思議に思っていると、自分の肩を触れた時に服を着ておらず、下の方も触れるとパンツも履いておらず、自分が全裸だってことがわかった。

え?え!?なんで、もしかして・・・、私、お持ち帰りされちゃった・・・?知らない男と・・・!?

私はそう確信していると血の気が引いた。

ど、どうしよう・・・!と、とりあえず、逃げないと・・・!!

私は人がいないことを確認するために、暗すぎて見えないが、ベッドサイドにシャツみたいなのが置いてあったので、羽織るような形でベッドから出て、慎重に辺りを見渡した。

てか、暗すぎて裸眼でも見えない・・・!どうなってんの・・・、この家・・・!?

と思った時に、何かに躓き、バランスを崩し、そのままバシャッと音した所に突っ込んでしまった。

「冷たっ・・・!!え?何滝・・・!?」

これか、さっきの音の正体って・・・!?

私はさっきの水の流れる音の正体が滝だったと理解した。

何・・・!?なんで部屋の中に滝が・・・!?

そう思っていると足音が聞こえた。

ヤバッ!!見つかっちゃった・・・!!

怖くて目を瞑ってると、

?「大丈夫?」

と優しく声を掛けてくれたのは、私でも聞いたことある声だった。

?「こんな所にいたら、風邪ひくよ。」

と手を差し伸べてくれて、私はその手を握りしめ、立ち上がらせてくれた。

「もしかして・・・、ガクトさん?」
ガ「そうだよ。」
「ここって・・・、ガクトさんの・・・?」
ガ「そう。ここは僕の家なんだ。」
「・・・え?えぇ・・・!?」

これが運命の始まりだったと、この時の私は思っていなかった。
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