運命の歯車


ケーキを食べながら、ガクトさんとお話をし、

ガ「スンヒちゃんはハーフなの?」
「いえ、母方の祖母がフランス人なんです。」
ガ「じゃあ、クォーターか。その目の色は生まれつき?」
「あ、はい・・・。この左右違う色は生まれつきで、右の色は祖母に遺伝して、そのせいで気味悪がられました・・・。」

融合した俺の記憶だと、俺はクォーターで目鼻立ちがハッキリした顔立ちとオッドアイのせいでいじめられ、唯一の味方だったのは家族とジヨンだけだった。記憶が目覚める前の俺はこの顔立ちと目の色が嫌いだった。

ガ「僕は綺麗だと思うよ。その目の色。」
「え・・・?」
ガ「黒と赤みがかった茶色はかっこいい組み合わせだし、逆に羨ましいよ。それを前髪で隠すなんてもったいないよ。こんなに綺麗なのに。」
「ッ・・・!!///」

家族とジヨンたち以来、初めて綺麗って言われた・・・。///

俺はガクトさんに「綺麗」と言われ、顔が熱くなり、
無意識に俯いてしまった。

俺たちはホテルへ出て、車へ乗った。


「次はどこに連れてって下さるんですか?」
ガ「時間はあるし、ショッピングでも行かない?」
「ショッピングですか・・・、行きたいです!」

そう言うとガクトさんは大きいデパートに着いた。

「あのー、ここに来てしまったら目立つと思うんですけど・・・。」
ガ「なんで?」
「いや、ガクトさん。顔も知られてしまってますし、こういう所に来たら余計に目立つと思って・・・。」
ガ「大丈夫だよ。こういうのには慣れてる。気にしないで行こうか。」

ガクトさんは俺の手を握り、前へ進み始めた。

ガ「平日と言ってもやっぱりすごいね・・・。」
「は、はい・・・。///」

俺は未だにガクトさんに手を握られたままで、正直恥ずかしかった。

ガ「スンヒちゃんの好きな所、行って良いし、見てもいいよ。」
「は、はい・・・!!」

俺はガクトさんに言われた通り、色々と見回り、すると俺が目にしたのはショップで俺の大好きなBE@RBRICKとあのミュージシャンヒデさんとのコラボだった。

「あの、あそこ見てきていいですか?」
ガ「いいよ。」

キーホルダーが売ってる・・・。鍵とか付けそうだし、このハートのやつとかカラフルな熊のやつかわいい・・・♡さすがに大きいのはハードルが高い・・・。キーホルダーか・・・。なんだったら、ペアルックとかが・・・、なんてな・・・。

ガ「それが欲しいの?」
「へっ・・・!?」

振り向くと俺の後ろにはいつの間にガクトさんの姿があった。

「い、いえ!かわいいなって思ってつい・・・。」
ガ「・・・。」

ガクトさんはハートの黒と黄色の色違いのBE@RBRICKキーホルダー2つとり、そのままレジに行き、会計を進んだ。

「え!?そんな、ガクトさん!別にいいですのに・・・!!」
ガ「いいの。これは僕からのお祝いだから。はい。」

と優しい笑顔でさっき買ってくれた黄色のハートのストラップを渡され、俺はガクトさんの微笑みに敵わなかったため、黙って受け取った。

「あ、ありがとうございます・・・。///でも、なんで2つなんですか・・・?」
ガ「もう1つは僕の。僕とお揃いがいいなって目でキーホルダー見つめてたから。」

ば、バレた・・・!!///何故、バレた・・・!?///

「けど、お揃いだと疑われそうな気がします・・・!ストラップが一緒ってだけで付き合ってるんじゃないかって噂されるのが・・・。」
ガ「あー、確かにそういう人とかいるけど。僕は全然、平気だけど。スンヒちゃんが言うなら、目立たないように家の鍵と車の鍵につけとく。それなら目立たないよ。」
「わ、私も家の鍵につけときます。これでも結構、無くし物とか多くて・・・。」
ガ「その方がいいよ。スンヒちゃんはこういうのが好きって意外だね。」
「はい!この熊のやつ、趣味で集めていまして、基本的にフィギュア集めとかが好きで後はアート鑑賞も。」
ガ「アート鑑賞か・・・。おしゃれだね。」
「うちは母方の祖父が小説家で、母は美術を専攻していて、姉は西洋画に専攻、遠い親戚に画家とか小さい頃からアートに触れられて育ったんです。」
ガ「アーティスト家系か・・・。スンヒちゃんがアートを好きになったのは育ちのおかげってことか。」
「フフッ、そういうことになりますね。」

俺は不思議とさっきまでの緊張感がほぐれ、自然とガクトさんの楽しくおしゃべりしていると自分でもビックリしている。

ショッピングを十分楽しみ、辺りが暗くなった。

ガ「お腹空いてない?」
「お腹は空きました-!」
ガ「フフッ、そういうと思って、レストランを予約してるんだ。」
「本当ですか・・・!?うわぁ-、楽しみです!」

着いた先は隠れ家的なおしゃれなレストランだった。

「うわぁ・・・。隠れ家ですか・・・?」
ガ「そう。人目がつかないから、たまに知り合いとか友人を誘っててよく行く。」
「へぇ~・・・。ここ、ワインとかありますか?」
ガ「ワインはある。他のお酒もある。ワインが好きなの?」
「はい!お酒の中で一番好きなんです!」
ガ「僕もワインが好きなんだ。」

どんなワインがあるんだろ?楽しみ~♪
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