年上彼女との馴れ初め話
『ぼ、僕と、結婚して下さい・・・!!』
上『え・・・!?』
付き合って3ヶ月、僕は竜姫にプロポーズをした。
僕はチャンミン。韓国で東方神起というグループで活動している。実は、竜姫と付き合う前、3ヶ月前に彼女がいた。
彼女の名前はイェナ。僕と大学の同級生だった。大学から恋人として付き合っていて、僕の一目惚れで告白をし、人生で初めてできた彼女。
いつか、結婚出来たらいいなって思ってた・・・。あの時の僕は・・・。
卒業後は彼女は会社に就職し、僕は東方神起として活動をしていた。交際は変わらず続いている。
容姿はかわいい。背が高くモデルみたいな体型。マドンナ的だけど、彼女の欠点はだらしなさだった。
何がだらしないって?初めて家に招かれて、家を上がった時にあまりにも部屋が汚かった。ユノヒョン以上に。
床に紙とか空のペットボトルが色んな所に散らかってたし、鞄も置きっ放し、ゴミが入ってるゴミ袋も3袋ぐらいは置いてあった。
けど、彼女はそんなこと気にしなかった。
イェナも仕事で疲れてるんだ・・・。一緒にやればいっか・・・。
だけど、「僕、こっちを片付ける」って言ったら、彼女は手伝わず、自分のベッドに座って、仕事の愚痴を言い始めた。
最近、愚痴ばっか聞かされて、モヤっとした気持ちだったけど、それでも、イェナのこと好きだったし、社会人生活に慣れていけば問題ないと、この時の僕は思った。
社会人生活が慣れた頃も彼女は全く相変わらずだった。それだけじゃなく、洗濯物は溜まりっぱなし、着るものを取る時は、溜まりっぱなしの所から、台所のシンクは調理器具とか皿とかコップは洗わず、置きっぱなし、ゴミとかも出さない。冷蔵庫には酒ばっかりで自炊はせず、コンビニの弁当とかカップ麺ばかりだった。
「あー、もう、金欠ぅー・・・。」とか言ってるけど、毎日カフェ行けば、そりゃ金欠だよ・・・。
そんな彼女と付き合って3年が経ったけど、さすがに限界を感じた。
キュヒョナとか色んなヒョンたちやヌナ、ヨジャグループの後輩たちには愚痴を聞いてくれて、彼女がいるヒョンたちは最初、「まぁ、そのうちチャンミナのためにやってくれるよ。」って言ってくれたけど、3年も変わろうとしないイェナの愚痴を言い、部屋の写真を見せると、
「3年も・・・。ヒョン、よく耐えられますね・・・。」「何というか、ご愁傷様・・・。」「イェナとは同級生だけど、家に上がった時は部屋が想像以上に汚かった・・・。それを耐えるチャンミナはすごい・・・。」ってイェナにドン引き、僕には哀れな目で見て、慰めてくれた。
そんなある日、イェナの部屋に遊びに行くと、
イ「ねー、そろそろ私たちも結婚しないー?」
と僕に見せてきたのは、ブライダル雑誌だった。
結婚・・・?イェナと結婚なんか、絶対無理・・・!!
3年経っても生活力が身につかないイェナと今更結婚なんて、できる気がしない・・・。
僕は今までの限界が来て、
「ごめん・・・。結婚出来ない・・・。別れてほしい・・・。」
イェナは当然、僕の別れ話に信じられないって顔をした。
イ「はぁ!?なんでっ!?」
なんでって・・・、何もしないからだよ・・・。いつ来ても、部屋は汚いし、自分で片付けない・・・。一緒に自炊を誘っても、
「えー!無理、チャンミナが作ってよ!」の一点張りだった・・・。
今まで言っても、意味なかった・・・。もう、疲れたんだ・・・。
「ごめん・・・。」
僕はそう言うと、彼女の部屋を出た。
付き合って3年、僕はイェナと別れた。イェナと別れたとヒョン、ヌナ達、キュヒョナ、後輩達に言うと「やっぱり・・・。」と僕を責めず、納得していた。
もっと、早く別れればよかったなぁ・・・。
ある日、僕は日本のテレビ局の収録前の時、
「はぁ・・・。」
僕は今までの3年間が無駄にしたなぁと後悔が募り、溜め息をついてた時に、
?『どうしたんすか?』
『え?』
僕に声かけられてきたのは、KAT-TUNの上田さんだった。
上田さんと言ったら、とっつきにくい感じで女性なのに、口が悪いし、目つきが悪い。話しかけるなのオーラがあって怖い。
『い、いえ、大丈夫です・・・!』
上『大丈夫じゃなさそうっすよ。ちょっと待ってて下さい。』
と言うと上田さんはどこか行ってしまったが、すぐに戻ってきた。何か持ちながら。
上『ほら。』
と僕に渡されたのは、あったかい缶コーヒーだった。
上『これ飲んで、元気出して下さい。』
『あ、ありがとうございます・・・!』
僕はコーヒーを受け取り、上田さんにお礼を言った。
『上田ー!そろそろ本番だぞ-!』
上『おぉ、今行くー!じゃあ、もう行きますから。本番、頑張って下さい。』
『は、はい・・・!!』
そう笑顔で言うと、メンバーさんの元に帰っていった。
その後、度々彼女の姿を見かけるが、スタッフさんにも優しく平等に接している姿があった。
本当は、すごい優しい方なんだね・・・。僕、ちょっと誤解してたかもしれない・・・。笑った顔も、かわいい・・・。
それから僕は日本にいる間、上田さんを猛アタック。
最初は全然だったけど、僕は諦めず、挨拶したり、コミュニケーションをとったり、飲みに誘ったりもした。すると徐々に反応は変わっていき、付き合う事になった。
付き合ってからますます彼女のよさを実感する日々。
ただ、初めて彼女の家に行った時は部屋が漫画で溢れていて、汚かったですけど・・・。
けど、『一緒に片付けましょう』って言うとちゃんと片付けも手伝ってくれるし、一緒に自炊を誘うと、『やるやる!』って一緒にご飯を作ったりもした。
彼女は強気の反面、繊細で寂しがり屋な所もあり、怖がらせてるつもりはなく、目つきが悪いのは視力が悪いからだった。人前では弱さを見せず、メンバーと親しい人達だけには弱さを見せていた。
付き合ってから彼女は変わった。次に来た時は部屋が綺麗になってたし、掃除とかゴミ処理とかするようになり、洗濯、料理とかするようになった。
僕は彼女の変わりっぷりに益々惚れて、そして、これ以上素敵な人には出会えないと確信した僕は、
付き合って3ヶ月後・・・、僕はポケットから指輪が入った箱を出し、箱を開け、竜姫の前へ差し出し、
『ぼ、僕と、結婚して下さい・・・!!』
上『え・・・!?』
僕は竜姫にプロポーズをした。
来年でもうすぐ、兵役ってこともあるし、誰かに取られるのは嫌だった・・・。2年間会えないけど、僕のことを待っててほしい・・・。
上『俺でいいなら・・・、喜んで・・・!』
と竜姫は涙を流しながら、笑顔でプロポーズの返事をした。
その後、僕たちは入籍をし、キュヒョナとヒョン達、ヌナ、後輩達からも祝福された。
「上田さん、チャンミナ「ニヒョン、オッパ」のこと、よろしく!「お願いします!」」って皆、竜姫に「僕のこと、よろしくお願いします」って言っていた。
けど、仕事の都合で別居生活になったけど。
結婚式は親族と竜姫のメンバー、親しい人達だけ行った。
結婚式から数ヶ月後に僕は兵役に行った。2年後に除隊。
結婚して4年後の11月、元気な二卵性の双子の男の子と女の子が生まれた。
名前は男の子が「シオン(志音)」、女の子が「リオン(璃音)」。
2人とも、僕似だった。もちろん、嬉しいですよ。自分似の子供が生まれてきて、けど、やっぱり、竜姫似の子が欲しいなっていう自分がいる。
シオンとリオンが生まれて2年後の3月、元気な女の子が生まれた。
名前は「ミオ(美桜)」。竜姫似だった。
今では健康ですくすく育っていて、手がかかるけど、幸せな毎日を送ってる。
友人から聞いた話だと、元カノのイェナは僕と別れてから10年が経ち、未だに独身。あの汚部屋は未だに住んでいて、イェナの家に来ただけで帰っちゃう人がいる、まだ自分がダメな所に気づいていないと言っていた。
あぁ・・・、あの時、本当に別れてよかった・・・。僕と別れてから10年経つのに未だに気づいてないの?けど、あの時、ちゃんと指摘すればよかったな・・・。
と僕はイェナに指摘しなかった事を今更、後悔した。
上『どうした?チャンミン?』
『あー、いえ・・・、あの時、プロポーズしてよかったなぁって思っただけです。』
上『何今更・・・。(笑)』
本当に竜姫に出会えたことに感謝している・・・。これからも、こんな幸せな日々が続くといいな・・・。
終わり
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