運命の歯車
それから、ガクトさんとはいつの間にかメル友になっていて、最近、あったことや面白いことを話し、愚痴とか悩みも聞いてくれる。
電話はたまに出ることもあるけど。
今でも信じられない・・・。あのガクトさんと喋ってるし、メールのやり取りをしている・・・。
ガクトさんって・・・、一流芸能人で、語学堪能・・・。ミュージシャンだけじゃなく、俳優とか結構、多彩な活動をしている・・・。何より、すごい鍛えてるし、筋肉もすごいし・・・、そりゃあ、抱かれたいって人もいるだろうし・・・。
噂では有名な女優さんとも熱愛発覚が報道されるほどのモテっぷり・・・。元男である俺まで惚れそうなんだけど・・・。
あぁ!!ダメだ!!また、ガクトさんに抱かれていることを妄想してしまったじゃねぇかーーー・・・!!!
ス「ヌナ・・・。どうしたんですかね?」
ジ「最近、携帯ばっかいじってるし。」
テ「この前、ヌナが1人で何か考え事をした時に、急に自分の頭で机を何度も頭突きしてました・・・。」
ヨ「マジか。見たかったなそれは。」
俺の誕生日が過ぎてから1週間が経ったある日、たまたまテレビ局でまたガクトさんと会った。
ガ「スンヒちゃん。」
「あ!ガクトさん!」
あ、ちなみに俺の今の本名はチェ・スンヒで前世とはほとんど変わっていなかった。ガクトさんには本名もちゃんと言ってある。
ガ「ごめんね。1週間前は何のプレゼントもなく、メールだけでおめでとうのメッセージで・・・。」
「え?あぁ!いえ、大丈夫です・・・!お祝いの言葉だけで嬉しいので気にしてないです・・・!!」
ガ「スンヒちゃんが気にしないって言っても、僕が気にするんだ。本当はメールか電話で言いたかったんだけど・・・。」
「な、なんですか・・・?」
ガ「次のオフはいつ?」
「え?来週ぐらいですけど・・・。」
ガ「ちょうど良い。僕も来週オフなんだ。この日、僕とデートしてほしい。」
「・・・え、ええぇぇーーー・・・!!??」
俺は絶賛悩み中である・・・。
「はぁ・・・。」
ジ「ん?どうしたのヌナ。」
冷蔵庫の飲み物を取ろうとキッチンにいたジヨンが話しかけてきた。
「あー、ジヨン・・・。ちょっとな・・・。」
ジ「悩み事?何かあったの?」
「ジヨンさ、ガクトさん知ってる?」
ジ「ガクトさん・・・。あぁ、ヌナとCMで共演していたあのガクトさん!?」
「そうなんだ・・・。」
ジ「それがどうかしたの?」
「来週、ガクトさんとデートすることになったんだ。」
ジ「え、えぇ・・・!?え?なんで・・・!?」
「だって・・・。」
回想
「あ、あの-・・・、気持ちは嬉しいですが・・・。」
ガ「だって、何もプレゼントとか何も用意しなかったら、男として失礼じゃない!?本当にロケとかじゃないし、プライベートで本当に僕と、デートしてほしい!!」
「え?あ、あの-・・・。」
ガ「お願い!この通り!」
こんな必死になってるガクトさん、初めて・・・。クールなイメージだったんだけど・・・。
回想終了
「それで周りの目が気になって仕方なかったし、断りずらかったから、とりあえず、「はい」って返事しちゃった・・・。」
ジ「そういうことか・・・。あの人、意外と諦め悪そうだね・・・。」
「そうなんだ。それで何着ていこうか考えてたんだ・・・。」
ジ「そうだな・・・。あ、そうだ・・・!!」
「ん?」
ジ「去年の冬に買った服あるじゃん?俺がすすめた。」
「あ・・・。」
そうだ、思い出した・・・。去年、ジヨンと珍しく買い物行った時にジヨンが「ヌナはストリート系とかパーカーばっかだし、おしゃれな服とか持ってないじゃん。たまにはおしゃれな服も持っとかなきゃ!」って買わされた黒いタートルネックに膝下まであるハウスチェック柄のフレアスカート。キャラメル色のスエード調のショートブーツ、パールチャームストラップ付き。
後はこれに合うアクセサリーもジヨンがプロディース。さすが、ファッショニスタ。
「そうだった・・・。そんなの忘れてた・・・。」
ジ「まさか、役に立つ時が来るなんて・・・。まぁ、思う存分に楽しんだらいいんじゃない?ご飯は当然、食べに行くかもしれないし・・・。その日、俺たちは別の所で食べに行ってくるから。」
「ごめんな・・・。その日、俺がいなくて・・・。」
ジ「いいよ。すごい人に祝って貰えるってチャンスだよ!1日だけデート体験だと思って、ちゃんと味わってきてね。」
「・・・わかった。」
その日から自分に合うメイクとかメイクさんに教えてもらい、ヘアアレンジは簡単なやつをヘアメイクさんに教えてもらい、勉強をした。
前日の夜は憂鬱でいっぱいだった。そして、当日となり、あの服も着て、メイクもヘアアレンジ(メイクはナチュラルメイク、髪型は軽く毛先だけパーマをあてたお団子ハーフアップ。)もどうかメンバーに見せてもらったら、
「良い感じです!!」「変じゃないです!」「似合ってる!」
に褒めてもらい、少し照れてしまった。準備が整え、出かけようとした時にジヨンに呼び止められ、
ジ「これ、ヌナにもう1つのプレゼント。」と言われ、俺の左のサイドに何か付けられ、鏡を見ると俺の髪には蝶のヘアピン(かぴっち曰くモデルは君に届けに出てた爽子ちゃんのヘアピン)だった。
ジ「やっぱり、似合ってる。これでガクトさんもメロメロになるはず!」と自信満々に言い、俺はお礼を言うと今度こそ、出かけた。
はぁ・・・。緊張するな・・・。恥じないように頑張らないと・・・!!