運命の歯車
?「_マ!オンマ!」
「ハッ・・・!!」
俺の事を呼び、起こされたのは今年、小学5年になった娘のユミだった。
「あれ?俺、寝てた・・・。」
ユ「うん。ぐっすりだったよ。仕事、お疲れ?」
「ちょっとな・・・。」
ガ「大丈夫?」
「オンマ・・・?」
俺を心配そうに聞いてきたのは夫のガクトさんと今年、6才になったリナ。
随分と懐かしい夢、見たな・・・。あれから、14年が経ったのか・・・。
あれから、俺はガクトさんと結婚前提にお付き合いした。付き合って3年で俺たちは結婚した。連れ子のナギも俺たちの事を祝福してくれ、ジヨン達とKARAも祝福してくれた。
だけど、俺たちは自分たちの国で仕事があるし、ガクトさんはマレーシアに移住したから、結果、別居婚という形になった。
結婚して翌年の9月に長女のユミを出産した。その4年半後の3月に次女のリナを出産した。
安定期の時、ガクトさんはまだ生まれてないというのに、
ガ「絶対に君に似て、かわいいと思うよ~♡」
ともう、早くもデレデレ状態だった。
ナギは初めてできた妹が嬉しかったのか、すごく可愛がっているし、俺の事を母親として慕ってくれている。
ナギはあの後、ガクトさんと一緒にマレーシアに移住し、日本人学校に入学、卒業後には日本の高校に入学し、今年、大学生になった。
初めて会った時は3才だったナギが美少年に成長した。ガクトさん曰く「本当に奈々桜にそっくりだ・・・。」と言う程だった。
ガクトさんは私と結婚後、忙しいのにもかかわらず、ナギくんと一緒に俺と娘たちのために韓国へ来てくれて、俺も娘達と一緒にマレーシアか日本に行く。
俺は脱退はせず、そのままグループに続行、スンリも犯罪を染めなくてよかった。予定通り、俺たちBIGBANGは東京オリンピックの年に再始動した。
ユミとリナも俺たちの活躍をキラキラした目で見てくれた。
「大丈夫です。少し懐かしい夢を見ただけです。」
ガ「懐かしい夢?それは、僕たちが初めて会った時のこと?」
「はい。ナギと対面した時のことも、カミさんが夢の中で出てきたことも・・・。」
ガ「クスッ、本当に懐かしいね・・・。奈々桜とカミが出てきてくれたおかげで、今の僕たちがいて、可愛い娘達もいるんだ・・・。」
「そうですね・・・。」
ユミは顔はガクトさん似でしっかり者で優しい。フランスの血が入ってるせいか、瞳の色素が薄い(青みがかった茶色)。
リナは顔は俺似で天真爛漫で好奇心旺盛。俺と同じ赤みがかった茶色の瞳。
ユ「オンマ。洗濯とか取り込んだから!」
リ「おかたづけした!」
「ありがとう。2人とも・・・。」
ガ「明日はナギが来る日だから、張り切ってるからね。」
「あ!そうだった・・・!!寝てる場合じゃなかった!!俺、ちょっと、買い出しに行ってきます!!ごめんですけど、ユミとリナを見てくれませんか・・・!?」
ガ「いってらっしゃい。気をつけてね。」
ユ「いってらっしゃーい!!」
リ「いってらっしゃーい!!」
明日はナギがここに来る日でその翌日にナギの19才の誕生日でもあり、ナギの実母の奈々桜さんの命日でもある。
奈々桜さん、貴方の息子はこんなに立派に成長しました・・・。あの時、ガクトさんに背中を押してくれて、ありがとうございます・・・。
カミさん、あの時、俺を止めてくれて、この左の目をプレゼントしてくれて、ありがとうございます・・・。おかげで俺たちは、今幸せです・・・!
今世に転生してから19年。俺は今、前世にはなかった、幸せな未来を手に入れた。今世では、愛する人と共に、人生を歩んでいく。
終わり
