運命の歯車
デビューして、転生して3年が経ち、女性としての生活も慣れてきた。デビューして3年に日本デビューが決まり、事前に勉強したおかげか漢字はまだ勉強中だが、読み書きはできるようになった。
前世の通り俺は、ドラマ、映画の出演が決まり、日本の番組に出演するようになり、日本の宿舎生活をした。そこでも日本の料理とか勉強し、メンバー達に振る舞い、皆は「美味しい!」と好評だった。
ある日、俺に日本のCMの出演の依頼がきた。それはブライダルマガジンのCMだった。しかも俺は花嫁の役だった。
花嫁ってことは・・・、ウエディングドレスを着るってことか・・・!?それ以外はないな・・・。けど、花婿の役とキスシーンがあるんじゃ・・・。
俺は嫌々ながら、CM出演を承諾した。相手は誰なのかって聞いたけど、マネージャーは知らないと言っていた。俺のウエディングドレス着たら、笑われるかもしれない。昔、ジヨンとヨンベと3人ででS.E.SのコスプレでS.E.Sの歌を歌って披露して、笑われた事を思いだした。あれは黒歴史でしかない。
撮影当日となり、結局相手が誰かわからないままだった。化粧とヘアセットもされ、初めてウエディングドレスも着た。
俺のウエディングドレス姿を見たスタッフさん、メイクさん、スタイリストさん、エキストラさんたちは何故か顔が赤くなっていた。
【タプさんの美しさに周りが見惚れていたから。】
撮影場所はチャペルで演出は扉を開けた瞬間、俺と相手役が互いに手を取り、見つめ合い、出席者から祝福され、ブーケトスをし、子役の女の子がキャッチ、俺たちは馬車に乗り、ブーケを取った女の子を見つめ去って行く、女の子は子役の男の子と笑い合うというシーン。
はぁ・・・。よかった・・・。キスシーンがなくて・・・。
そして、相手役がきた。
『えぇ・・・!?』『嘘・・・!?』
エキストラさんたちは相手役が来るとざわつき始め、俺も確認するとそこには、
?『今日はよろしくお願いします。』
前世でも今世でも、韓国で有名なあのフロックコート姿のガクトさんだった。
お、俺の相手役って、ガクトさんだったの・・・!?
『あ、ハジメマシテ、私、BIGBANGという韓国のグループの、T.O.Pデス。今日ハ、ヨロシクオ願イシマス・・・!』
俺はガクトさんにしっかりと失礼なく挨拶をした。
ガ『よろしく。』
と笑顔で手を差し出してきた。握手だと分かると俺は恐る恐ると手を近づき、握手をした。
何故、恐る恐るなのかと言うと、ガクトさんは握手する時に握力が強いし、骨が折れそうなほどの痛さだったって聞いたことがあるから。
けど、普通に優しく丁寧に握手してくれた。
ガ「なんで、恐る恐るなの?」
急に韓国語で話しかけてきた。
あ、そういえば、ガクトさんは英語だけじゃなく、中国語、韓国語、フランス語も喋れるって言ってた・・・。
「あー、ガクトさんの握手は痛いって聞いたことありまして、それで・・・、思わず構えてしまって・・・。」
ガ「・・・。」
ガクトさんはキョトンと俺の顔を見て、
「ち、違います!悪い意味で言った訳じゃなく、風の噂で聞いていて・・・、決してガクトさんが悪いって訳じゃないのはわかっています・・・!不快な思いをしてしまって、本当にごめんなさい・・・!!」
俺は早口でガクトさんに弁解し、90度のお辞儀で謝った。
あぁ・・・。終わった・・・。これは詰んだ・・・。
ガ「・・・フッ、アハハハ!!」
急にガクトさんの笑い声がし、俺は顔を上げるとガクトさんは面白そうに笑っていた。
「あ、あの-・・・。」
ガ「ご、ごめんごめん。(笑)必死すぎて、面白かっただけで・・・。(笑)別に握手のことで気にしてないよ。事実だし。むしろ、君をビビらせてしまったことに僕にも原因があるから、本当にごめんね。」
「あー、いえ・・・。大丈夫です・・・。」
ガ「さすがに女の子相手に握手は力入れないよ。」
「そうですか・・・。はい・・・。」
はぁ・・・。よかった・・・。怒ってなくて・・・。
監『すみませーん!そろそろ撮影を始めまーす!』
ガ「さぁ、もうすぐ始まるし、行こうか。(ニコ)」
「は、はい・・・。///」
俺はガクトさんの優しい笑顔に思わず、赤面した。