運命の歯車


2009年の年末に俺たちは日本で有名な音楽賞で最優秀新人賞を獲得した。本当に応援してくれてファンの人達に感謝しかない。
俺はガクトさんにその事を報告すると「おめでとう」のメッセージがきた。

あれから年が明け、俺は韓国に戻り、自分たちの国の仕事で忙しい日々が続き、ガクトさんとは相変わらず、メールとか電話のやりとりをしている。

そんなある日、俺は社長から忙しかった俺たちにご褒美で再来週から1週間のオフをもらった。俺はそれを機にガクトさんに会いたくて、日本に行くことを決めた。俺はガクトさんにメールで、

「突然、すみません。ガクトさん、俺再来週から1週間のオフをもらいまして、ガクトさんに会いたくて、4日間ですけど、日本に行こうと思ってるんですけど、ガクトさんが迷惑じゃなければの話なんですけど。」と送り、数分後、

「全然いいよ。僕も再来週からオフなんだ。偶然にも1週間の。僕もスンヒちゃんに会いたいなって考えてた所だったんだ。後、日本に着いてからなんだけど、待ち合わせ場所で会わせたい人がいるんだけど、いいかな?」と返信が来た。

会わせたい人・・・?俺に?

俺はそんな深い考えもせず、「いいですよ」と返事を返し終え、その2週間後、俺は日本へ行き、着いた後、書いてあった待ち合わせ場所に着き、ガクトさんが来るのを待っていた。

といか、よくよく考えてみれば、会わせたい人って誰なんだ・・・?もしかしたら、恋人・・・!?そんなの、嫌だ・・・!!

俺が深く考えていると、

ガ「スンヒちゃん。」

と聞き覚えのある声の方に向くと、そこにはガクトさんとガクトさんに手を握られている小さな男の子だった。その男の子は目鼻立ちがハッキリしていて、金色に混じった琥珀色の瞳を持っていた。

「え・・・?」
ガ「久しぶり、スンヒちゃん。会いたかった。」
「あ、あの-、ガクト、さん・・・。」
ガ「ん?」
「会わせたい人って、その子の、ことなんですか・・・?」
ガ「うん。そうだよ。」『ほら、挨拶は?』
?『こんにちは。』
『コ、コンニチハ・・・。』

俺は頭が真っ白になって、理解が追いつけなかった。

「ガクトさん、この子は・・・?」
ガ「僕の息子なんだ。もちろん、血の繋がった。」
「・・・ええぇぇーー・・・!!??」

俺はガクトさんの告白に仰天した。

え・・・!?ガクトさんって、確か、前世では独身だったはず・・・!?

「ガクトさん、お子さんいてたんですか・・・!?」
ガ「うん。名前は凪兎。ナギって呼んでるんだ。」『ナギ、何才ですか?』
ナ『3才です。』
ガ『偉いね。』

ガクトさんがナギくんと呼ばれた男の子の目線を合わすようしゃがんで、優しい笑顔で『偉い』と頭を優しく撫でていた。

あ、パパって顔になってる・・・。ちゃんとパパやってるんだ・・・。

俺たちは近くのファミレスに移動し、そこで話し合った。

「えぇーと・・・。ガクトさんって、ご結婚、されてたんですか・・・?」
ガ「まぁ、過去形だけど、そうなるね。」
「あのー・・・、この子のお母さん、ガクトさんの奥さんは・・・?」
ガ「いないよ。ナギを産んですぐに亡くなったから。」
「え・・・?」
ガ「それから、僕1人でナギを育ててるんだ。大切な妻、奈々桜の忘れ形見だから。」

ガクトさんはナギくんを愛おしく見つめていた。

大切な妻、か・・・。そうだよな。俺にとっては友達としか思ってないか・・・。

ナ『ぱぱ、このおねーちゃんは?』
ガ『パパの友達のスンヒだよ。』
ナ『すんひおねーちゃん?』
ガ『そうだよ。』

か、かわいい~~~・・・!!!

俺はナギくんの可愛さに胸がずっきゅんと打たれた。

『ナギくん、かわいいですね~。私、怖くない?』
ナ『こわくない。おねーちゃん、きらきらしてる!』
『嬉しいでーす。あなたは優しいね~。』
ガ「子供が好きなの?」
「はい。もう可愛くて仕方ないんです。けど、子供は俺の顔を見て、すぐに泣き出すんですよ・・・。俺、何にも悪いことしてないのに・・・。」
ガ「あー・・・。多分、目力だと思う・・・。スンヒちゃん、目が大きいから、目に力入れすぎて、余計、子供が泣いちゃうから・・・。」

ガクトさんは気まずそうにハッキリと言った。

うぅ・・・!そんな、ハッキリ言わなくても・・・。(泣)

「それで?ナギくんに会って、どうしろと言うんですか?」
ガ「・・・あー、ここにいる間でいいから、ナギの母代理、お願いできるかな?」
「え?」
ガ「いや、僕が仕事ある間は姪っ子と姉たち、たまにjobメン達に面倒を見てくれているけど、母がいないナギにとって、母親ってどんなものかと体験してほしくて・・・。」
「なるほど・・・。確かに、特に小さい子は母親が必要って年ですし・・・。わかりました。その話、受け入れます。」
ガ「ッ・・・!!ありがとう・・・!そう言ってもらえると助かる・・・!」

ガクトさんは嬉しそうな顔で俺の手を握りながら、お礼を言った。

ガ『ナギ、このお姉ちゃんがここにいる間の4日間、ナギのママになってくれるんだって。』
ナ『ママ?ぼくの?』
ガ『そう。お姉ちゃんが帰るまでだけど。』
ナ『ほんとう?』
ガ『あぁ。』
ナ『ママ!よろしくおねがいしまーす。』ペコリ
『よろしくネ、ナギくん。』

ナギくんは『よろしくお願いします』と言いながら、お辞儀をした。

グッ・・・!すごく良い子だ・・・!!
16/16ページ
スキ