運命の歯車


ガクトside

彼女のオッドアイは、宝石のように綺麗だった・・・。

彼女の母方のおばあさんはフランス人でクォーター。その顔立ちとオッドアイのせいで気味悪がられていた。けど、僕は気味が悪いとは一度も思っていない。正直言って、綺麗だった。せっかくの綺麗な瞳が前髪で隠すのなんてもったいないと本気で思った。

次に来た場所が大きなデパートだった時、

タ「あのー、ここに来てしまったら目立つと思うんですけど・・・。」
「なんで?」
タ「いや、ガクトさん。顔も知られてしまってますし、こういう所に来たら余計に目立つと思って・・・。」
「大丈夫だよ。こういうのには慣れてる。気にしないで行こうか。」

スンヒちゃんは自分のことより、僕のことを心配してくれ、気をつかってくれた。

僕は彼女の優しい気遣いにまた惹かれた。

彼女は色々と見回っていると、そこで目に留まったのはショップで、熊のフィギュアと何かのコラボだった。

彼女はキラキラした笑顔で、

タ「あの、あそこ見てきていいですか?」
「いいよ。」

そう言うと彼女はショップに向かった。

あの柄、見たことあるな・・・。あー、思い出した!ヨシキのバンドメンバー兼友達のヒデさんのギターの柄だ。スンヒちゃんはこういうのが好きなんだ・・・。

彼女はグッズを見つめ、僕は何だろうと彼女の背後に近づいた。
彼女が見ていたのは、キーホルダーだった。

もしかして、欲しいのかな?ましてや、お揃いがいいのかな?

「それが欲しいの?」
タ「へっ・・・!?」

僕が背後にいることに気づかなかったのか、控えめながらすごく驚いていた。

タ「い、いえ!かわいいなって思ってつい・・・。」
「・・・。」

彼女は本当は欲しいのに、僕に迷惑をかけまいとまた気をつかってくれた。

僕は色違いのを2つとり、レジに向かうと彼女は「いいです」と断る声がしたが、それを無視し、会計を済ませ、彼女の元に行き、

タ「え!?そんな、ガクトさん!別にいいですのに・・・!!」
「いいの。これは僕からのお祝いだから。はい。」

黄色のハート柄の熊のストラップを渡すと、彼女は顔を赤くなりながら、黙って受け取ってくれた。

タ「あ、ありがとうございます・・・。///でも、なんで2つなんですか・・・?」
「もう1つは僕の。僕とお揃いがいいなって目でキーホルダー見つめてたから。」

彼女は図星なのか、「何故、バレた!?」という顔で僕を見た。

いや、顔に出てたから・・・。わかりやすく・・・。;
けど、かわいいなこの子。見ていて飽きない。

しばらくして、辺りが暗くなった。随分、久しぶりにショッピングを楽しんだから。

「お腹空いてない?」
タ『お腹、空きました-!』
「フフッ、何で急に、日本語?そういうと思って、レストランを予約してるんだ。」
タ「本当ですか・・・!?うわぁ-、楽しみです!」

着いた場所は予約していた行きつけのレストラン。

タうわぁ・・・。隠れ家ですか・・・?」
「そう。人目がつかないから、たまに知り合いとか友人を誘っててよく行く。」
タ「へぇ~・・・。ここ、ワインとかありますか?」
「ワインはある。他のお酒もある。ワインが好きなの?」
タ「はい!お酒の中で一番好きなんです!」
「僕もワインが好きなんだ。」

彼女は楽しみっていう笑顔をを浮かべていた。料理とワイン、僕は運転だから、ノンアルコールを頼み、僕たちは乾杯を交わした。

僕は食事をしながら、彼女を見るとケーキを食べてる時と同じ顔をしていた。純粋にかわいいと思う自分がいる。

「スンヒちゃんって、やっぱりモテるでしょ?」
タ「モテる?・・・あー。まぁ、否定はしません。」
「でしょ?綺麗な顔してるから。告白とかされない?」
タ「告白は・・・、されます。この業界に入ってから。タレントさんとか芸人さん、アイドルの人たちですけど断ってます。」
「そうなんだ。」
タ「やっぱり、まだ遊びたいですし、仕事も楽しいですし、やりたいこともたくさんありますから。」
「そうだよね。まだ22才だし、まだ遊びたい年頃だから、しょうがないよね。」

ついさっきまで緊張で身体が強ばってたけど、彼女の好きな物、親族の話してから緊張がほぐれたのか、自然な笑顔で僕に話すようになった。

食事後・・・、

タ「ふぅ・・・。美味しかったです・・・。東京でこんなおしゃれで美味しいレストランあったなんて、ちょっと感動しました。」
「満足してくれてよかった。それより、まだ飲み足りない?」
タ「正直言って、まだ飲み足りないです・・・。」
「じゃあ、最後は僕の行きつけの場所に連れてってあげる。」
タ「は、はい・・・!」

着いた場所は行きつけのバーラウンジ。ここは夜景がすごく見えるとデートスポットになっている。

タ「うわぁ・・・。綺麗・・・。」
「東京タワーがこんなに近いね。しかも僕たち、特等席に座ってるね。」
タ「フフッ、そうですね。」

僕たちは飲む物を頼み、乾杯を交わした。

タ「今日は、良い体験をしたなぁって思っています・・・。」
「え?」
タ「私、男性とデートしたことは1度もないですし、お付き合いしたこともないんです・・・。」
「じゃあ、僕が初めてって訳?」
タ「はい・・・。///」
「それなら、よかった・・・。(ボソ)」
タ「え?」
「いや、なんでもないよ。」

危なかった・・・。初めてが僕で、あまりに嬉しすぎて本音が出ちゃった・・・。

そうホッとしていると、

ス『失礼いたします。こちら、ケーキでございます。』
『ありがとう。』
タ「え?私、頼んでないですけど・・・。」
「いや、僕が頼んだ。」

スタッフが持ってきてくれたのは、ミニロールケーキが何個も重ねてあるバースデープレート。

ここは誕生日でバースデープレートでお祝いができる。誕生日を知った時に予約をした。

タ「これって、バースデープレート、ですか・・・?」
「そう。スンヒちゃん、改めて言うよ。誕生日おめでとう。」
タ「ッ・・・!!」

僕が「おめでとう」と言うと、彼女は泣きそうになりながらも、涙を堪え、僕を見つめていた。彼女のオッドアイは堪えてる涙で更に綺麗に輝いていた。

「泣かないの。せっかく綺麗な顔が台無しだから。」
タ「だって、まさかこんなサプライズがあるとは思わなかったんですから・・・。」
「ごめん。でも、どうしても祝いたかったからつい・・・。あ、これ、もう1つの誕生日プレゼント。」

僕はシャネルの箱を出し、彼女に渡し、箱を開けた彼女は僕を見て、

タ「そんな、高かったですよね・・・?」
「いいよ。値段なんか気にしないで。君のために選んだから。」

僕はネックレスを箱から出し、席に立ち上がり、彼女の背後に回った。

「髪を少しだけ上げてくれない?つけてあげる。」
タ「へっ!?///」
「いいから。」

彼女は髪を少し上げると、僕は彼女にネックレスをつけた。
つけ終わり、席に戻り、ネックレスをつけてる彼女を見て、

「やっぱり、似合ってるよ。これを選んで正解だった。」
タ「あ、ありがとうございます・・・。///」

彼女は顔を赤くし、下に俯いた。

喜んでもらえてよかった・・・。このデザインを見た時に、絶対似合うと思ってた・・・。スンヒちゃんと出会ってから、毎日、スンヒちゃんの顔が目に浮かぶ・・・。

きっと僕、スンヒちゃんのことが・・・。
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