メイドと主人


奥様が帰ってきてから1週間が経ち、最初は嫌われたかと思ったら、何故か俺にかわいい服をプレゼントされた。

最初は呼び出されて、何かなって警戒してたけど、何故か、メジャー持ってきて、俺のサイズを測っていた。

「あの、これは・・・?」
瑠「私が作った服だ。本当はこういうの好きだろ?」
「あ、はい・・・。」

好きだけど、実家にいた頃は地味な服ばっかり着せられていた。

瑠「嬉しくないのか?」
「い、いえ!嬉しいですよ・・・!!けど、実家にいた頃は、こういう服、着させてくれなかったです・・・。」
瑠「なんだと・・・!?」

俺は思わず、奥様に俺の過去を話してしまった。それを聞いてた奥様は無言だけど圧を感じていた。

瑠「・・・。」
「お、奥様・・・?」
瑠「あー、すまない。アイツらに対して怒りが狂っていただけだ。お前の死んだ母は話を聞く度、優しい方だったんだな。父親も実の娘を庇わないのは相当、弱い人間だな。」
「・・・。」

ガクト様だけじゃなく、奥様も俺のために怒ってくれたのは意外で俺は嬉しい気持ちでいっぱいだった。

知「私がメイドになったのも奥様のおかげなの。」
「奥様が?」

休憩中、知恵さんがメイドになったきっかけを話した。

知「私、顔も知らない親に捨てられて、施設で育てられて、施設を出た後に行く当てもなく、途方に暮れていた所で奥様にスカウトされて、そこからメイドとして働くことになったの。」
「そうだったんですか・・・。」
知「ハイドちゃん、どうか奥様の事を勘違いしないでほしいの。奥様は厳しいお方だけど、優しいお方なの。私も最初の頃は慣れなくて、ミスとかもあった。奥様のカップを割ってしまった時に怒られる覚悟をしていたけど・・・。」

瑠『カップなどまた新しいのを買う。そんなことより、怪我はないか?指が少し切っているな。名取、救急箱を取ってこい。』

知「って、カップより私を心配してくれた時は嬉しかった。奥様はあれでも、可愛い物が大好きでハイドちゃんを見て、気に入ったのよ。」
「え、えぇ・・・!?かわいい?俺がですか?」
知「そうよ。ずっと、メイドとして働いてるからわかるよ。」
「そ、そういうもんですか・・・?」

まぁ、知恵さんがこう言ってるし、信じるしかないか・・・。

休憩が終わり、掃除を再開し、呑気な事を考えていると、

ガ「お見合い・・・?」
大「そうなんだ。相手は最上コーポレーションのご令嬢なんだ。」

旦那様とガクト様の声が聞こえ、思わず私は盗み聞きをしてしまった。

大「まぁ、あちらからのお願いなんだ。本当にガクトにはすまないが。会うだけでもいいから。」
ガ「・・・わかった。」

ガクト様が・・・、お見合い・・・?そう、やな・・・。俺みたいな一般市民の人間と、次期当主のガクト様じゃ釣り合わへんよな・・・。って、こんな所で落ち込んでる場合やない!掃除しなくちゃ・・・!

まさか、奥様に見られていたことはこの時の俺は知らなかった。







ガクトside

父さんからお見合いの話されてから、僕は母さんに珍しく呼び出された。

母さんからの呼び出しなんて珍しいな・・・。

「どうしたの?母さん、珍しく呼び出しなんて。」
瑠「・・・お前はそれでいいのか?」
「え?」
瑠「お前は好きな奴がいるんだろ?」
「ッ・・・!?」
瑠「お前の事はお見通しだ。新しく入ったメイドの子が好きだろ?」
「そ、それは・・・。」

まさか、母さんに見破られたなんて・・・!

瑠「どうせ、お前の事だから。好きだけど、家柄が釣り合えない、私たちに反対すると思っているだろ?」
「ッ・・・!!!」
瑠「実は大和さんもお前が新しいメイドが好きなんだと気づいてるんだ。名取も。反対はしていない。」
「え・・・?」
瑠「それに、新しいメイド、ハイドさんだっけ?彼女、お前と大和さんの会話を聞いたらしい。もしかしたら、ハイドさんもお前のことが好きらしいけど、同じ考えなんだ。」
「ッ・・・!?」

ハイドが、まさか・・・、聞いていたなんて・・・。

瑠「今度のお見合いでハッキリと断れ。もし、あっちが何かしだしたら、神威家が黙ってやられるわけないだろ。」
「母さん・・・。僕、彼女が、ハイドが好きなんだ・・・。初めて、この人と一緒にいたいって思う程好きなんだ・・・!家柄とかそんなの関係なく、恋愛として好きなんだ・・・!!」
瑠「・・・よく言ったな。それでこそ私の息子だ。後で私は大和さんとちょっと話し合ってくる。」

母さんは黒い笑みを浮かべると僕はヤバいと思い、そそくさと部屋に出た。

母さんは昔から怖いからな~・・・。;誰も母さんには逆らえないし・・・。それにあのおじい様も、母さんには逆らえない・・・。

けど、まさか、母さんと父さんも、名取も僕の恋愛を反対していなかったなんて・・・。母さん、本当にありがとう・・・。おかげで僕は、勇気が出たよ・・・。

続く
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