メイドと主人
絵を描き始めて2日経ったある日、麗さんが、
明「明日、奥様が帰ってくるのよ!」
知「えぇ!?急ですね!?」
明「海外出張がいつもより早く終えて、帰国するらしいんだって!」
麗「そ、それはちゃんと支度しないと・・・!!」
知「ハイドちゃんは、奥様とは初めて会うよね?」
「は、はい・・・。奥様ってどんな人なんですか?」
麗「奥様は・・・、一言で言えば威厳がある方で、見たとおり、厳しいお方で・・・。」
明「けど、優しいお方でもあるのよ。」
「き、厳しい・・・。」
そんなに厳しい人なら、粗相のないようにしなきゃ・・・!!
翌日、俺は先輩メイド、執事さんと横に並び、奥様のお出迎えを待った。
うぅ、なんだろう・・・。この緊張感・・・。お腹が痛くなる・・・。
そして、玄関の扉が開き、チラッと横を見ると、そこにはガクト様にそっくりの美女が立っていた。
あ、あの人が、奥様・・・。大きな息子2人がいるとは思えない・・・。
俺は奥様の若々しさに目を奪われた。
執事「おかえりなさいませ。奥様。」
メイド「「「「おかえりなさいませ。」」」」
「お、おかえりなさいませ・・・!」
俺は執事さんの言葉で我に返り、慌てて「おかえりなさいませ」と言いながら礼をした後、顔を上げた。すると奥様は俺の顔をじっと見つめ、
奥「名取。見かけない顔だが、新人メイドか?」
名(執事)「あぁ、はい。今年入ったメイドでございます。大旦那様の旧友のお孫様で・・・。」
奥「お義父様の・・・。」
奥様を無表情でじっと俺を見つめ、
「あ、あの、ハイドと言います・・・!まだまだ未熟者ですが、一生懸命頑張っております・・・!奥様に恥をかかせないように、頑張りますので、よろしくお願いします・・・!!」
奥様はキョトンとしながら、俺を見つめていたが、すぐに無表情になり、
奥「そうか。メイド達の足を引っ張らないように頑張れ。私は残ってる仕事があるから、部屋に戻る。」
名「か、かしこまりました・・・!」
とすぐに目線を離し、奥様はスタスタと部屋に戻っていった。
え?俺、嫌われたのかな・・・?それだったら、ショックや~・・・。(泣)
明「(出た。奥様のいつものあれ・・・。)」
麗「(嫌われてると勘違いしてる人が多いからねぇ・・・。)」
知「(奥様はきっと、ハイドちゃんのこと気に入るわ・・・。)」
長「(というか、奥様はハイドさんを見て、すぐに視線を逸らしたね・・・。)」
名「(まぁ、奥様のそういう所がかわいいですけど・・・。)」
奥方side
私は神威 瑠璃子。47才。神威財閥当主の妻であり、経営者でもある。17で主人とお見合い結婚、18でヨシキを産み、8年後にガクトを産んだ。
元々、服とかファッションが好きだった私は家族以外の周囲の反対を押し切り、ドレスメーカー学院に通った結果、アパレルブランドを立ち上げ、会社を設立した。男尊女卑の時代だったから、社員が集まらなかったけど、夢がある、働きたい女性と尊敬する男が集まり、今では社員が1000人もいて、会社は大企業に上り詰め、海外でも人気があるブランドへと成長した。
私に反感を買う男共はいたが、私の持ち前の強気で勝ち気の性格で、男共を撃退したけど。
今日は海外出張が終え、家に帰ってきた。いつものように執事の名取とメイド長、メイド3人が出迎えてくれたけど、1人、見かけない顔がいた。顔を上げた見かけないメイドは茶髪に琥珀色の瞳を持ったハーフのような顔立ちの美少女だった。
ハ「あ、あの、ハイドと言います・・・!まだまだ未熟者ですが、一生懸命頑張っております・・・!奥様に恥をかかせないように、頑張りますので、よろしくお願いします・・・!!」
ハキハキとした紹介と真っ直ぐな目で私を見つめ、私は思わず、胸がキュンとした。
「そうか。メイド達の足を引っ張らないように頑張れ。私は残ってる仕事があるから、部屋に戻る。」
名「か、かしこまりました・・・!」
私は早足で自分の部屋に戻り、入ってすぐに仕事用の机に座り、
なんなんだあの子・・・!?あんな純粋無垢な目で私を見つめて・・・!!私がデザインしたメイド服、似合ってるじゃないか・・・!!かわいい、可愛すぎる・・・!!
ナレーション・かぴっち「説明しよう!瑠璃子さんは昔から可愛いものが大好きでファッションとかも可愛い洋服とか可愛い柄の和服とか大好き。メイドさんが着ているメイド服も瑠璃子さんがデザインしたもの。先ほどの守ってあげたくなるような小柄でお人形さんみたいな
ヨシキが連れてきた彼女と一緒、容姿と一緒で何のけがれもなく、綺麗だ・・・!!
これからのことになると、楽しみで仕方ない。アイデアが浮かびそう。
私は上機嫌になり、残ってる仕事を不思議にスムーズに終わらせることができた。
続く
6/6ページ
