メイドと主人
ある日、ガクト様に呼び出され、部屋の前に立っていた。
俺、なんか怒られたことをしたのかな・・・?
俺は疑問を持ちながら、ドアをノックし、
「ガクト様、ハイドです・・・!!」
ガ「どうぞ。」
と言われ、俺は部屋に入るとベッドに座ってるガクト様の姿があった。
やっぱり、様になってるな~・・・。///
ガ「そんなところに立ってないで、ここに来て、座りなよ。」
「は、はい・・・!!」
俺はガクト様の隣に座り、気まずくて仕方なかった。
ガ「ハイド・・・。」
「はい?ッ・・・!?」
ガクト様は俺の名前を呼び、俺は反応して、ガクト様の方に向くと、頭を撫でられ、急に抱きしめられた。
「ガ、ガクト様・・・!?」
ガ「ハイド、君はよく頑張ったね・・・。」
「え・・・?」
ガ「いや、実は・・・。」
ガクト様は一旦、俺から離れ、俺の過去を、ここに来るまでどんな扱いされてきたのかを調べたらしい。
ガ「ごめんね。勝手なことをして・・・。けど、僕は傷ついてる君のことが放っておけないんだ・・・。」
「え・・・?」
ガ「今までどれだけ辛い思いをしたのか、今までどれだけ悩んで傷ついたのか・・・。君を蔑ろにした義母も、君を見て見ぬ振りをした父親も、君を比較してきた奴ら、そんな奴らなんか、タヒねばいいのに・・・。って思うほど、僕は怒ってるんだ・・・。」
ガクト様は俺を抱きしめ、
ガ「ハイド、君は今まで、本当によく頑張ったね・・・。もう大丈夫だよ。ここにいるメイドと執事、もちろん、僕も君の味方だし、ここは君の居場所でもあるから。」
「フッ・・・、ウッ・・・、ウゥ・・・!!」
俺は今まで我慢していた涙が溢れ、ガクト様の胸の中で泣いた。
泣いた後、ガクト様の洋服を汚してしまった事を謝ると、
「全然いいよ」と笑顔で言ってくれた。
ガクト様が、俺にずっと言って欲しかった言葉を、言ってくれた・・・。すごく嬉しい・・・。こんな、嬉しい事ないよ・・・。
ガクトside
僕の胸の中で彼女は泣いた。よっぽど辛かったんだろう。
もう、君には辛い思いはさせないから。
その後、ハイドは僕の服を汚してしまった事を謝罪したが、
僕は全然良いよ、寧ろ本望だよ。僕の胸の中で泣いてくれるのは。
けど、ここに来てからまだ君の笑顔が見たことない。どうやったら、彼女は笑ってくれるのだろうか・・・。何をすれば、喜んでくれるだろうか・・・。
今まで女性に喜びそうな物とか簡単に適当にしてたんだけど、ここまで悩む事なんて初めてだ。多分、ブランド物は興味ないと思う。
まず、本人に聞いた方がいいと思う。勝手に進められたら迷惑になるだけだし。
続く
