第5界層 〜不朽不滅の幽鬼の塔〜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
___ヒピオニア大陸
「ここはどこだぁぁぁあ!!!」
一人ポツンと広大な大地に佇む男がいた。
その名はクレイマン。
神子をこの手で壊すと言った男である。
現在、メルクの治療費の為に奔走していたはずだが……絶賛遺憾無く方向音痴を発揮中である。
「メルクーー!!どこだぁぁぁあ!!!」
大声を上げたところで周りに誰がいる訳でもなく、その声はただただ消えていくばかり。
か弱い少女を助ける為に自分が頑張らなくてはいけないのに、自分が助けを求める側になっていては仕方がない。
「なんでこう、街って消えていくんだろうな?ここにあったはずなのによ。」
そして馬鹿である。
ただ迷っているだけだということに気づかず、クレイマンは再び走る、走る、走る……。
「メルクー!!!!」
しかしどうやっても辿り着くはずがない。
遺憾無く方向音痴を発揮しているのだから。
そんな中、珍しい通りすがりの人物に会えクレイマンは話しかける。
どうやらその人物もオルニオンに向かうとの事で、一緒について行くことに。
「やっと着いたぜぇぇぇ……!」
見た事のある風景にクレイマンは安堵の溜息をこれでもかと吐き出す。
一緒だった道案内人もそれには苦笑いを浮かべていた。
「(ここ…そんなに難しくないんだけどなぁ…?)」
「恩に着るぜ!この恩はまた!!ちょっと俺、会わなくちゃいけねぇやつがいるからまたな!!」
そう言って流石に真っ直ぐ医師の所に向かったクレイマンに道案内人も笑いながら大きく息を吐いていた。
「メルクー!」
「おっ、辿り着けたんですね。」
意外そうな顔をした医師にニカッと笑い、お金を渡すクレイマン。
「これで足りるか?」
「えぇ、十分過ぎるくらいですよ。ちなみに、彼女から伝言を預かっていますよ。カプワノールに居ます、だってさ。」
「カプワノール?どこだ、そりゃ。」
「イリキア大陸にある港町だよ。盛んな港町で、そこに彼女の主治医がいたみたいだ。だからそこに行って病気を治すらしいよ。」
「イリキア大陸…?港町……?」
「あー……。君、方向音痴だもんね。そうだなぁ、この地図あげるよ。」
そう言って地図を貰ったクレイマンは笑顔でお礼を言った。
「おお!こいつは分かりやすい!!」
「本当かなぁ?」
「今居るのはここだろ?」
「…………こっちね。」
途端に一抹の不安を覚えた医師が、ザックリとカプワノールまでの道を教えてくれる。
問題は大陸を越えなければならない事だ。
大陸の渡り方を説明しようとした医師だったが、既に男の姿がないことに気づく。
頭をポリポリと掻き、苦い顔をした医師だが「ま、いっか。」で片付けた。
……この医師も案外テキトーである。
「メルク…待ってろよ!!俺が助けに行くからなー!!」
───暫くは迷いそうな気配がそこら中に漂っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
.novel_text {
font-size:10px;
}
暫くは迷いそうですね笑
さて、次よりようやく第6界層です。
お楽しみに!