第5界層 〜不朽不滅の幽鬼の塔〜
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私が目を開けると閑散としたあの街へ戻っていた。
〈
それどころか、まるで規制されているかのよう。
さっきまで居た白い空間も今や見る影もなく、私は手にした宝箱を見つめた。
『……今度は何が入ってるんでしょうか…?』
宝箱の蓋をそっと開けると、そこには黄色に輝くシトリンと呼ばれる宝石があった。
やっぱり宝石か、と溜息を吐きそうになりながら、私は再び宝箱の蓋をそっと閉じる。
幾ら痛みがないとはいえ、食べるのは……やはり怖いものがある。
カバンの中に宝石を仕舞えば、後ろから賑やかな声が聞こえてくる。
あの声は……ユーリ達だ。
ユーリ「メルク!」
『ユーリ! 皆!』
走ってこちらに駆け寄ってくれる三人に、私も堪らず駆け出す。
無事を祝われ、私もいつもの笑顔でそれを迎えると皆も笑顔になってくれる。
あぁ、これを見ると漸く帰ってきたという感じがします……。
ユーリ「全く……独りで戻るのは危ねぇだろ、と言いたい所だが、こればっかりはメルクの所為じゃないからな…。」
ジュディス「無事だったから良いじゃない。それとも何?ずっと一緒に居て欲しいって事かしら?」
レイヴン「ヒュー!熱いねぇ!青年!」
ユーリ「お前ら……後で覚えておけよ…。」
「「なんの事ー?/なんの事かしら?」」
『あらあら、ふふ。』
惚ける二人を見てふと微笑みが込み上げる。
いつもの様に頬に手を当て首を傾げながらそれをすれば、懐かしい物を見る様に皆の目は優しくなった。
ユーリ「次は第6界層か…。」
『第6界層は、〝
レイヴン「なーんか、名前からしてヤバそうなんだけどー?」
ジュディス「あら、湖なら今までよりは穏やかじゃない。私は好きよ?」
レイヴン「ジュディスちゃーん?罪過の湖って言っちゃってるからね?」
明らかにヤバいと分かっているレイヴンはジュディスにジトーッとした目を向けた。
そんな
レイヴンにジュディスは何食わぬ顔で笑って見返している。
流石に付き合いも長いと聞いていた分、二人の間に信頼関係が見えた……気がした。
ユーリ「どんな所なんだ?」
『罪人が蔓延る湖、がテーマの界層です。そのテーマ通り、罪人がそこら中に居るみたいです。』
ユーリ「敬語。」
『あ、』
言われてみれば思わず敬語に戻ってしまっていたのに気付いて、思わず下を見てしまう。
すると私は、誰かに頭を撫でられていた。
ユーリ「仲間なんだから敬語は無し、だろ?」
『…うん!』
仲間という素敵な響きが私の中を流れる。
本当なら熱くなるその言葉なのに、今の私にはもう…………何も感じない。
涙が出そうになって、でもバレたくなくて……いつもの様に笑顔で顔を上げた。
レイヴン「罪人蔓延っちゃってるなら、ヤバい所よね。」
ジュディス「そうね。でも犯罪者ぐらいなら一捻り出来ちゃいそうね?」
「「……。」」
何か思い当たる節がある様に、ユーリとレイヴンが口を閉じるものだから私は首を傾げて二人を見た。
するとクスリと笑ってジュディスが私の頭を撫でた。
ジュディス「気にしないであげて。」
『?? はい。』
よく分からないけど……ジュディスの言う通りに頷けば、ようやく二人も遠い目をこちらに戻していた。
ユーリ「ともかく一旦カプワ・ノールへ戻ろうぜ。」
レイヴン「賛成ー!」
そう言って船まで走っていったレイヴンを追いかけるようにジュディスも走り出す。
私もそれを追いかけようとしたら、ユーリに腕を取られ先を走っていく。
つられて私まで走れば、眩しく笑ってユーリが振り返った。
ユーリ「早く行かないと、皆が待ってるぜ? メルクの帰りをな?」
『…!!』
私の、帰りを……。
そう言われて、私は走りながら思わず下を向いていた。
まるで、私の居場所があるんだって……そう言ってくれてるみたいで、何だか嬉しかった。
だからか、私は少しだけ泣いていた。
ユーリ「……。(お前の居場所はここだ、メルク。だから敵側についてくれるなよ。)」
『(私の……帰りを待っててくれる…。でもそれに甘えちゃダメだ…。私は何れ────消えるのだから。)』
下を向いて走るメルクを見て、ユーリが苦しそうな顔でそれを見ては直ぐに前を向いた。
私は泣き顔を何とか笑顔に戻して前を見据えた。
すると、レイヴンとジュディスが私達を待っていた。
レイヴン「メルクちゃん!」
ジュディス「急いだ方がいいわよ?皆きっと、待ちくたびれてると思うから。煩いわよ?」
『あらあら、ふふ……。それは大変ですね?早くカプワノールへ戻りましょう!』
船に乗った私達はカプワノールを目指す。
そして外で待っていた仲間たちと再会を果たして、お医者さんからも心配されて大丈夫だと頷いた。
次の私達の目的地は、
第6界層〜