第5界層 〜不朽不滅の幽鬼の塔〜
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___カプワ・ノール
散歩へ出掛けた後もあってか、輸血中に寝てしまった少女の体温やら血圧を測っていく医者。
何一つ無駄のない動きにレイヴンは感嘆しながらそれを見守る。
「お話中すみませんでした。」
レイヴン「あぁ、いや。大丈夫だ。」
「私は医者ですからどちらがいいかなんて言えません。ですが。医者として別の事は言えます。メルクさんが幸せだと思う方について欲しいと。」
レイヴン「……。」
「メルクさんの幸せを願いますね。私なら。」
闇医者だと思っていたが、ここまで正義感のある医者だとは思わなかった。
レイヴンがチラリと医者を見れば、医者はニタリと変な笑いを浮かべながらレイヴンを見返した。
その子供が泣きそうな笑顔で無ければ、早くにこの医者の事を信じていただろうが、時間が掛かってしまった。
この医者はきっと信頼出来る。
そう、思った。
レイヴン「あんさん、顔に似合わず性格は良いって言われないか?」
「そうなんです!分かってくれますか?!」
レイヴン「ちょ、急にテンション上がらないでくれる…?」
急にクワッと目を見開き、レイヴンに押しかける医者に手で医者の顔を押さえながらジリジリと後退する。
医者がレイヴンから離れるとやれやれと肩を落とし、もう一度少女を見た。
その格好はやはり猫背気味で、目の下のクマが余計に不健康さを醸し出している。
「メルクさんはまだ若い。何でもやり直せると思いますけどね。私は。……まぁ、今のメルクさんにはまだ貴方の言葉は届かないと思いますよ。先ずはメルクさんの中に巣食う病気を治してからですね。」
レイヴン「そうだなぁ…。やっぱり青年達を待つしかないか…。」
「ベンも早く帰るといいですけどね。」
いつの間に輸血が終わったのか、少女から針を抜き、点滴台を片付け始める医者。
その点滴台を元の場所に返す為か、カラカラと点滴台を押し、廊下へと消えていった。
レイヴン「……メルクちゃん。青年が帰るまで変な気を起こさないでくれ…。」
今は寝ている少女へ、そう願うばかりだ。
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スキット① 【医師免許について】
レイヴン「そういえば聞いておきたい事があるんだが…」
医者「なんですか?」
レイヴン「おたく、医師免許なんてもの持ってるわけ?」
医者「いえ。そのようなもの持っていませんよ。まぁでも。以前は持っていましたが、何分この顔と私の性格で剥奪されました。」
レイヴン「あー…。まー、そうなるわな…」
医者「私の何処が行けないというのですか!」
レイヴン「その性格じゃないか…?急に沸騰したように沸き上がるその感情が、な……?」
医者「くっ…!やはり顔ですか…!?」
レイヴン「まぁ…おたくも苦労してるってことだけは分かったわ…」
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スキット② 【ベンとの関係について】
レイヴン「おたく、ベンって呼んでるけど、仲がいいの?」
医者「そうですね。同い年ですから。」
レイヴン「あ、そうだったのね…。」
医者「生まれも育ちも違いますが、彼が苦労している時はよくここに彼らが来ていましたから。よく知っています。」
レイヴン「そっか…。それほど長い付き合いなんだな。おたくら。」
医者「ムフフッ…!そうですね。」
レイヴン「(この人の笑うタイミング掴めないわー…)」
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スキット③ 【メルクについて】
レイヴン「おたく、メルクちゃんについてはどう思ってんの?」
医者「どう、と言われましても。私の大事な患者という認識ですね。」
レイヴン「いやにメルクちゃんに親切だから気になっただけだけど……。」
医者「はい。そうですね。しかしメルクさんは色々な方に好かれる性格をしておられる。興味深いですね。」
レイヴン「やっぱり研究対象的な?」
医者「後は〝神子〟という事も実に興味深いですねェ…。……あっははァ…!!」
レイヴン「やべ、聞いちゃいけないスイッチ入ったかも…」