始まりの章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一方、ギルド〈
「メルク。今こそお前の力を発揮する時だ。」
『はい。』
しわがれた声の男……いや、あれは酒焼けした声だ。
聞き取りづらいそれを難なく聞き取り、それに返事を見せた瑠璃色の髪と瞳を持つギルドメンバーの1人、メルク・アルストロメリア。
柔和な印象の彼女に目の前にいた男が下卑た声で嗤う。
「分かってんだろうな?これが成し遂げられないならお前の命は……コレだからな。」
首を斬る動作をした男に物怖じすること無くメルクと呼ばれた女性は「はい。」と返事をした。
「あそこにあるもの全て掻っ攫ってこい!そして、例の箱を手に入れろ。いいな?」
『はい。』
「ふん。怖じけることも無く、つまらん奴だ。さっさと行け。」
柔和な笑顔のまま部屋を後にしたメルク。
そこにはどんな感情が浮かんでいるのか。
分かるのはただ本人のみ。
白衣を翻し、準備が出来たメルクは〈
決して小さくない、その扉。
『ふふ。素敵な事がありそうね…』
変わらず柔和に微笑んだメルクはその足で、その大きな扉を潜った。
ただ一つ、その甲高いヒールの音を響かせて。
___さあ、こちらも機は熟した。
物語の幕を開けよう。
メルクの目的はただ、“上に従うこと”だけなのだから。