契闊 【両面宿儺】
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お前は余りに純真で、余りに何も知らなかった。他人がいつかお前は殺されると忠告しても、俺が何度この持て余す力ゆえどれほど恐れられてきたのかを聞かせてもなお、お前は少しも俺の善性を疑わなかった。
たとえその所為で俺以外の全てが敵になろうとも、お前は最後まで、俺を敬愛し続けた。
宿儺と彼女は師弟同然の間柄であり、同時にお互いが好奇の的であった。食事を共にし、共に語らう。彼女はその時間を何よりも大切に思い、愛していた。その盲目的なほどの尊崇に、彼女は周囲の変化を見落としていた。
ある日、その戦いは突然に始まった。否、宿儺にとっては何も慮外なことではなかった。しかし彼女にとってその戦いは、全く意味不明の、複雑怪奇極まりない出来事であった。
どうしてあの善良な宿儺がこれほど大勢の人から命を狙われなくてはならないのか。何度理由を聞いても、宿儺はこれまでの様に、ああ、それはな、とは説明しなかった。ただ、逃げろ、と。
初めて彼女は宿儺に反抗したのだった。宿儺は殺されなくてはいけないような人ではないと皆に話してくる、と言って聞かなかった。
そこで無理にでも止めていれば。
彼女は単身敵陣に乗り込み、必死に説得を試みた。前線には全国屈指の術師達が厳戒態勢で防衛に臨んでいた。
彼らに彼女がかなうはずもなく、善戦したがすぐに彼女は戦禍の藻屑となった。ただ生きてもう一度宿儺に会いたいという激情に駆られて、その意志のみで何とか彼のもとに帰る。見るも無惨なその姿に、宿儺は色を失った。
「宿儺・・・・・・」
彼女はもう、虫の息だった。しかし彼はどうすることもできない。いかに宿儺といえど、自分は治せても他人のことまで修復することは専門外であった。
激昂した彼は強かった。漲る呪力を存分に使い、最後は領域展開によって敵を殲滅した。全国に五万と居る呪術師達との総力戦で、さすがの彼も疲労困憊であった。
にも関わらず、彼は全速力で彼女のところへ向かう。
既に息を引き取っていた。
戦いは何日にも渡って続いたので生死をさまよっていた彼女が生きているはずもなかったが、宿儺にはどうしてもそれが受け入れられない。
たとえその所為で俺以外の全てが敵になろうとも、お前は最後まで、俺を敬愛し続けた。
宿儺と彼女は師弟同然の間柄であり、同時にお互いが好奇の的であった。食事を共にし、共に語らう。彼女はその時間を何よりも大切に思い、愛していた。その盲目的なほどの尊崇に、彼女は周囲の変化を見落としていた。
ある日、その戦いは突然に始まった。否、宿儺にとっては何も慮外なことではなかった。しかし彼女にとってその戦いは、全く意味不明の、複雑怪奇極まりない出来事であった。
どうしてあの善良な宿儺がこれほど大勢の人から命を狙われなくてはならないのか。何度理由を聞いても、宿儺はこれまでの様に、ああ、それはな、とは説明しなかった。ただ、逃げろ、と。
初めて彼女は宿儺に反抗したのだった。宿儺は殺されなくてはいけないような人ではないと皆に話してくる、と言って聞かなかった。
そこで無理にでも止めていれば。
彼女は単身敵陣に乗り込み、必死に説得を試みた。前線には全国屈指の術師達が厳戒態勢で防衛に臨んでいた。
彼らに彼女がかなうはずもなく、善戦したがすぐに彼女は戦禍の藻屑となった。ただ生きてもう一度宿儺に会いたいという激情に駆られて、その意志のみで何とか彼のもとに帰る。見るも無惨なその姿に、宿儺は色を失った。
「宿儺・・・・・・」
彼女はもう、虫の息だった。しかし彼はどうすることもできない。いかに宿儺といえど、自分は治せても他人のことまで修復することは専門外であった。
激昂した彼は強かった。漲る呪力を存分に使い、最後は領域展開によって敵を殲滅した。全国に五万と居る呪術師達との総力戦で、さすがの彼も疲労困憊であった。
にも関わらず、彼は全速力で彼女のところへ向かう。
既に息を引き取っていた。
戦いは何日にも渡って続いたので生死をさまよっていた彼女が生きているはずもなかったが、宿儺にはどうしてもそれが受け入れられない。