満月の夜の宴
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬が危うく眠りかけた時、
ソウシ「馬ちゃん大丈夫?こんなところで寝てたら落ちて怪我するよ?」
ソウシが声を掛けてくれた。
足取りの覚束なかった馬を心配して船内まで様子を見に来たらしい。
しかし、馬はまだまだ泥酔状態のため、ソウシに対して上手く振る舞うことも出来なかった。
馬「………ハァッ………大丈夫…………です……」
冷静さを装うにも限界が近かったため、ソウシに一つ頼み事をする。
馬「……みっともないところをお見せしてすみません……重ね重ね申し訳ないのですが……ナギさんを呼んできてください………ハァ…」
アケミ理論の下、ナギの前でなら酔った状態でも気を抜く事が出来る、馬は本能的にそう感じたためナギを所望した。
ソウシには馬の意図が伝わっており、
ソウシ『ナギ以外の人間に弱味を見せたくないのか。』
手負いの動物のようにも感じるが、彼女の精一杯な姿を見るとソウシは非常に好ましく感じた。
いつもの馬と全く違って真面目な口調とひたむきな態度は良い意味でギャップの差がありすぎる。
そして、酷く酔っ払っているにも関わらず、ナギに対して一途な姿勢が変わらないところにも好感を持てた。
ソウシ「馬ちゃんは一途なんだね。
うん、わかった、ナギを呼んでくるよ!」
グッタリとする馬の頭を優しく触れてから、すぐに甲板へと戻っていった。
そんなソウシの様子などつゆ知らず、とにかく馬は、ナギが居てくれたらなんとかなるだろう、としか考えられなかった。
馬『ソウシさんがナギさんを連れてきてくれるから……それまでに階段を降りきっておこう……けど、階段ってこんなに長かったっけ…』
泥酔による吐き気の波が去っては少しずつ移動し、また吐きそうになると動きを止める…そんなもどかしい移動方法でかなりゆっくりと馬は歩みを進めていた。
すると、
ナギ「馬。」
馬が求めていた救世主、ナギの声がした。
馬「ナギさ…ん、」
馬は頭上を見上げる余裕もなく声に反応だけする。
ナギ「……立てるか?」
一目で馬の状況を把握したナギは手を差し伸べた。
馬「…ハァ、…無理っぽいです……」
ナギ「……仕方ねぇな。」
チッ、と舌打ちをするもその後の彼の行動は優しかった。
ナギは馬の腰に手を回すと、出会った初日のように担ぎ上げるのではなく、いわゆるお姫さま抱っこの体勢で彼女を持ち上げた。
そしてそのまま部屋まで運んでいく。
馬「…すみません、重くて…ハァ……ハァ…」
ナギ「………お前は菓子ばかり食ってないでもっと飯を食え。」
馬『もっと太って関取を目指せということかな。
やっぱりナギさんと相撲は切っても切れない関係なんだ…』
菓子を控えて食事をしっかり摂れというナギの主張と、菓子に加えてさらに食事ももっと摂れと言われたと勘違いする馬。
この勘違いのせいで馬の相撲思想に繋がってしまった。
そんな事を馬がぼんやりと考えているとナギの部屋まで到着した。
……………………………
ナギは馬をゆっくりとベッドに降ろす。
トサッ…
馬「……んっ……」
ベッドに包み込まれる感覚が心地良かった。
ナギ「……水を持ってくる。」
馬を介抱するために水を求めたナギは直ぐに居なくなってしまった。
酔っているせいなのか、暗いナギの自室で一人取り残された馬は急に寂しくなってしまった。
馬「……ハァッ………ハァッ………」
それまで白黒に見えていた世界がかなり元通りになってきたが、まだまだ胸の動悸が激しい状態は治まっていない。
馬は右手で自分の左手をきつく掴んで、孤独感や体調不良を紛らわそうとした。