満月の夜の宴
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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馬のグラスのワインが半分になる頃、ふと水が飲みたくなった。
しかし、自分の周辺を見たところ、水らしきものは置かれていない。
軽く見渡してから馬は気が付いた。
ソウシの前に、無色透明の水らしき物が入っているコップが置かれているではないか。
次いでソウシの顔色も窺ったところ、至って普通の様子だ。
馬『あれが水だわ!』
馬はソウシの隣まで行き、頼んでみることにした。
馬「ねぇ、ソウシさん。それ飲ませてくださいな。」
ソウシ「え?これかい?」
馬「はい!ワインの口直しに。」
ソウシ「うん、良いけど…馬ちゃんは通なんだね♪」
馬『水一つで何を言ってるのだろう。 ソウシさんのこだわりのアクアとかなのかな。 海水を一から煮沸して三日三晩ろ過装置を通して造り上げ、それから……』
と、馬の頭の中でソウシの水物語が展開していったが、はい、と彼にコップを渡されてその物語は終結した。
馬「いただきまーす。」
やはり水が一番飲みやすい、 と思いながら一気にゴクゴクと飲んだが…鈍感な馬は2ゴク目で気付いた。
馬『これ、かなりキツいお酒ですやん!! 』
水どころかアルコール度数の高い酒だと気付いた馬だったが、白ワインでの酔いも手伝って、 もうどうにでもなーれ☆的な心境で飲み干してしまった。
ソウシ「良い飲みッぷりだね。」
馬「うぃ〜っ、あざーっす!!」
馬の泥酔を懸念していたナギの敗因は、水を置かなかったことだろう。
ソウシ「これはね『越後武士』と言ってヤマトのかなりきついお酒として有名なんだよ。水で割ってるけどね。」
ニコニコと笑顔で語るソウシの声が、馬にはまるで夢の中で聞こえてくるように感じていた。
現在の彼女は絶賛泥酔中で非常にふわふわとした気分に陥っている。
馬「なるほど!だから喉が焼けるように熱いわけですな!!」
馬は努めて冷静に振る舞っている。
馬の中ではポリシーがいくつかある。
その内の一つが、『酒は飲んでも飲まれるな』である。
これは例のアケミ店長が、
アケミ「アルコールに頼って多数の異性に甘えるようなことはしたらダメよ? それだとふしだらな女に見られるし、みっともないわ。
しなだれて良いのは配偶者や彼氏、1人の前でだけ☆ これが淑やかなヤマト女性よ!」
と、常々言っていたことである。
たった1人の人にしか見せない姿…なんかカッコイイ!! と、馬は感銘を受けたのだった。
その考えが根本にあるので今現在も冷静に努めているのだが、時間が経つにつれてどんどん酔いが回っていく。
ソウシ「…あれ、馬ちゃん、顔が真っ赤だけどもしかしてアルコールに弱い体質だった?」
ナギとハヤテ以外のメンバーの前でここまで酒を飲むことは初めてだった馬。
彼女がアルコールに弱いことはソウシも知らなかったのだ。
心臓がバクバクして、吐きそうになっているが、馬は今もなお必死に冷静を装っている。
馬「ふぅ〜…久々に飲んだからですかね!」
ニッコリ微笑むしか出来ない馬。
泥酔すればするほど馬はまともな言動になる質なのだが、言い換えればそれは冗談も言えないほど切羽詰まった状況になっているということで…
ソウシ「大丈夫かい?馬ちゃん!」
医者の観点から急性アルコール中毒を疑うソウシ。
馬「大丈夫です!!ちょっと水飲んだり、お手洗い行ったりしてきますね!!」
馬はソウシに心配させないように親指をグッと付きだし船内に戻ろうとする。
その後ろ姿はフラフラとして非常に危なっかしいものだった。
ソウシ「大丈夫かな…」
馬は今すぐにでも机の上で突っ伏してしまいたかったが、そんなことをすれば場の空気を悪くしてしまう。
とにかく船内に隠れて体調が戻るまで休んでおこう…そう考えて戻って来たのだが、甲板と船内を繋ぐ階段で力尽きてしまった。
馬「………ハァッ……ハァ……ハァ……ハァッ」
馬は荒い呼吸しか出来ていないが心の中では、
馬『畜生、お酒め~、こんなに気持ち悪くなるくらいなら二度と飲むもんか〜!!』
と、酒に悪態をついていた。
まだまだ立ち上がることは出来なさそうだ。
馬『あぁ、眠〜い。』
今度は眠気まで襲ってきた。