廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その5)
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街が廃墟へと朽ちていく際、とてつもない量の粉塵が舞い上がっていた。
さらに過酷な持久走に挑んだシリウスメンバー達は多量の汗をかいている。
シリウス号に帰還したメンバー達は皆同じことを思っていた。
昨日のリュウガのように、 『とりあえずシャワーを浴びたい…』と。
出掛ける直前に馬特製の魔除けのお札を渡されていたので霊による重篤な憑依や悪影響は誰も受けていなかった。
馬から塩を掛けられ、清酒を飲んだ後、メンバー達はシャワールームの使用順をくじ引きで決めた。
その際、
馬「そんな面倒な事しなくても全員同時にシャワーを浴びたら良いのに。
狭い密室で触れ合う筋肉と筋肉…ハァハァッッ////!!」
煩悩丸出しの馬が鼻血を垂らしながら出した案は即座に却下された。
ちなみに、1番風呂(※シャワー)はリュウガで最後はトワということは暗黙の了解で決まっている。
…………
バタンッ、
ナギは自室の扉を閉めた。
話し合いの末にナギと馬は1度自室に戻ってきた。
馬「ちゃちゃっと着替えを用意しますね。」
ナギ「…………あぁ。」
部屋に戻って早々、ベッドに腰掛けているナギは気怠そうに返事をした。
簡易くじ引きの結果、シン→ナギ(と馬)→ソウシ→ハヤテの順で決まった。
3番目と言えども入浴無しのシャワーのみ、すぐにナギ達に回ってくるだろう。
それを見越した馬は、急ぎ着替えの用意をしている。
馬「えっと、いつもの白いシャツとー、」
自分を背負って走ってくれた最愛の旦那様に少しでも休んでもらうため、馬は彼の着替えを優先して用意をしている。
ナギ「……被んな。」
ナギは的確に妻の愚行を指摘した。
馬「くっそー、バレてたか。」
ナギの下穿きを頭から被ろうとしていたのを咎められた馬は渋々綺麗に畳み直した。
馬「よし、私の分の着替えも準備完了~♪
着替えのTシャツはヤマトのおば様御用達、ライオンの顔面が全面に描かれている大迫力獣Tシャツです!」
馬は「ガオー」と唸りながらナギにTシャツを見せ付けた。
ナギ「……そんな服、どこで売ってんだ?」
馬「フフ、ソウシさんと一緒に激安掘り出し服屋さんを見付けるのが私の楽しみですから!」
馬は獣Tシャツを畳みながら服を買った時の出来事を説明する。
その説明を聞くと、彼女は質よりも量、どこまでも安く!を徹底する超庶民派人間で、ナギとは全く正反対の価値観の持ち主だということが窺えた。
しかし、ナギが気に障ったのはそこの部分では無かった。
ナギ「……ドクターと?」
馬「はい!ソウシさんと好みのツボが同じみたいで、私のしょうもない買い物にもずっと付き合ってくれてありがたいです♪」
ナギ「…………………」
自分以外の男について楽しそうに語る彼女を見ていると、どうしてもナギのヤキモチスイッチが入ってしまう。
だが、シャイな彼はハッキリとその事を伝える術は持っていない。
彼に酔いが回っていればまた話は別だが、清酒を一口飲んだだけでは素面状態と変わらなかった。
ソウシとの接触を止めさせる上手な言い回しが思い付かないナギは、
ナギ「……今度の買い物には俺がついてくから。」
と、告げるだけで精一杯だ。
馬「え!良いんですか!?」
ナギの言葉に馬は目を輝かせる。
しかし、
馬『はっ!この流れは…!!』
すぐに馬は、今と同じ感じでナギに誘われていた過去を思い出し、その結果どうなったかまでもセットで思い出した。
馬「申し訳ございません、ナギさん。
本当にお気持ちだけで大丈夫でございます。
ナギさんは今まで通りご自身の買い物ライフをお楽しみください!」
と、学習能力のある彼女は丁重に断るのだった。
ナギ「……は?」
まさか馬から誘いを断られるなんて思ってもいなかったナギは晴天の霹靂としか言いようがない。