廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その5)
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名前を入れないと『馬』になるので、あなたの脳内で馬が大暴れするでしょう…お気をつけください。
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ゴォォォォォォ…………
馬『風の音?』
後方から嵐の渦中にいるような強い風が吹き荒ぶ音が聞こえてきたので、馬は後ろを振り返る。
すると、
馬『船長達何かしてる…?』
リュウガが全速力で走りながら剣を振り下ろしている姿が彼女の視界に入ってきた。
リュウガ「ほら、ハヤテ!ここまで来てるぞ、女王(笑)!」
また一振り。
どうやら何かを斬っているようだ。
ハヤテ「うわっ、きめぇっ!!」
ハヤテも何かを避けながら走っている様子だった。
馬『2人は何をしてるんだ……?』
馬が目を凝らして見ると、
リュウガ「こんな明白なヤツには捕まりたくないわ…な!」
さらに一振り、リュウガが剣の切っ先を振り下ろした。
馬「あ、」
リュウガが切り落としている物が見えてしまったので、馬は思わず声を漏らした。
ナギ「……どうした?」
馬「変なものを見ちゃいました、後で言います。」
自分の見たものを伝えてしまうとナギが走る事に集中出来なくなるかもしれない、そう考えた馬は口を閉ざした。
ナギ「……わかった。」
ナギは一言呟くと、再び逃げ去る事に全力を注いだ。
ゴオオォォォォォォォォ…………
馬「!?」
さらに間近に暴風の音を感じ、馬が再度振り返ると……
馬『うへー、こうやって崩れてくのか…』
目に入ってきたのは街の建物が風と共に朽ちていく光景だった。
昔の建築物にしてはしっかりと構えられていた建物が、砂の如くサラサラと風に吹かれて消えていく様子は摩訶不思議な現象としか言いようがなかった。
……………………………
バタンッッッ!!
馬「封印っっ!!」
馬はポーズを取りながらシリウス号の船内入り口にお札を貼り付けた。
馬「次は塩と清酒で皆を浄めま、」
「すよ」と言うつもりが、背後のメンバー達の有り様を見てしまうと、馬は言葉を続ける事が出来なかった。
ソウシ「…ご、…ごめん……ハァッ、久しぶりに全力疾走したから……お祓いは少し待って……」
トワ「…さ、最後の砂浜ダッシュが効きました…ハァッ………」
ハヤテ「……ハァッ……あーーっ……もう走らねーぞー!!……ハァッハァッ」
リュウガ「ハハハ、2日連続で走るのはキッツいな……ハァッ…」
シン「……ッ…」
シンですら息苦しそうにしながら自身のシャツの首元を弛めている。
ナギ「………………」
馬を背負ったまま走りきったナギに至っては、汗みずくになって地べたに座り込み、肩で大きく息をしている。
無事に街の崩壊から逃げ切れたものの、馬以外の全員が全員、大量の汗を流し、呼吸を乱しながら疲労困憊を極めているのだった。
馬「ナギさんっ…」
馬は慌ててハンカチを取り出し、ナギの汗を拭う。
このハンカチは『変顔ハンカチシリーズ』と言われるもので、怒り目、涙目、笑い目の様々な表情の目が刺繍されており、ソウシと共に『変顔ごっこ』をする時に重宝しているハンカチである。
ナギの顔の汗を拭う時、怒り目の刺繍が丁度彼の目の位置に当て嵌ったのだが、
馬『ナギさん、いつもとあまり雰囲気が変わってない…』
と、あまりにも普段通りの彼にしかならなかったので、馬は特に笑う事もせず、丁寧に汗を拭うだけに終わった。