廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その5)
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その時だった。
リュウガ「お…ー……い…野郎ども……ー!」
「……?」
リュウガの叫び声が後方から聞こえたように感じ、全員が一斉に振り返ると、
リュウガ「女王が来るぞーーー!!
逃げろぉぉぉーーー!!」
ハヤテ「お前ら、逃げろーー!!」
全力疾走で街道を走ってくる2人の姿が見えた。
ハヤテは必死の形相で、リュウガはまるで鬼ごっこを楽しむ子どものように笑っている。
馬「あわわわ、こりゃダメなやつっっ!!
皆、走って!!!」
そう叫ぶや否や、馬はナギの手を取り、回れ右をしてすぐに走り出した。
ナギ「……っ、」
ソウシ『ってことは船長達の後ろに女王がいるのかな?
よーし、見てみよう。』
危険な好奇心がソウシをこの場に留まらせようとするが、
シン「ドクターも走ってください!!」
相変わらずカイワレ大根のようにニョロニョロと黒髪を逆立たせたシンがソウシの胴着を引っ張った。
ソウシ「わわっ!」
シンに勢いよく引かれたソウシはバランスを崩しそうになったが、咄嗟に後方に足を置いた。
トワ「ソウシ先生、早く!!」
ソウシ『しょうがないな…』
そしてそのまま走らざるをえない状況になってしまった。
逃走しながら、
ソウシ「シンも女王様を見たいって言ってたよね?」
ソウシはシンに疑問をぶつけた。
彼には女王を見てみたいという好奇心がまだまだ残っている。
シン「気配が近付くに連れ、見るのもアウトな存在だとわかりました。」
トワ『シンさんも馬さんみたいに霊感が強いんだ…』
シン「とにかく逃げ切りましょう。」
ソウシ「わかった。」
3人は先に走る馬とナギの後を追いかけた。
馬の足は意外と速い。
それは出会ってすぐのシャハイ島の時点で明らかになった事実である。
そして、
馬「ナギさんっっ、次って右でした!?
左でしたっけ!?…ハァハァッッ……息が死ぬっっ!!…」
非常に方向音痴だということと、体力が無いということも既存の事実である。
ナギ「……馬、止まれ!」
馬「へいっ!?」
ナギの命令に反射的に従ってしまう彼女はキキキッという擬態語が付きそうなくらいの急ブレーキをかけた。
ナギ「……背中に乗れ。」
馬の体力の限界を察したナギは彼女を背負う事を提案した。
平坦な道を人1人抱えて走るには背負うのが1番の方法だ。
馬「す、すみませんっ、お邪魔します!」
本来は遠慮する馬だが、断るやりとりや自身の体力の無さを考えると素直にナギの背中を借りた方が良いと判断した。
ナギの背中に馬が負ぶさると、すぐに彼は今まで走ってきた速さと何ら変わらないスピードで走り出した。
ナギ「……このまま船まで行けば良いんだな?」
馬「はい!」
馬達が一旦止まっている間に後方のソウシ達も追い付いた。
ソウシ「ナギ、代わろうか?」
ナギ「……いいえ。」
ソウシ「馬ちゃん、私の背中の方が良いんじゃない?」
馬「間に合ってます!」
ソウシ「そこを何とか!」
馬「大丈夫です!」
ソウシ「フフ、つれない馬ちゃんも最高に可愛いよ♪」
馬「勘弁してください!」
トワ『本当にソウシ先生は鋼のハートだなぁ…』