廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その3)
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渡された絵は比較的新しいものと窺えたが、描かれていたのは、
馬「ナギさん、」
ナギ「……あぁ。」
リュウガが持ち帰った黒塗りにされた絵と同じものだった。
ただ、こちらの絵には黒塗りはされておらず、女性は綺麗な容姿で描かれている。
馬『この2人って親族なのかな?』
初めて目の当たりにした女性は、男性と、また、ハヤテと同じ髪と目の色をしている。
馬とナギの様子を見ていた夫婦は、
「おや、この絵はもう誰かに見せてもらったのかい?」
「お2人が結婚された時に各家庭に配られた複写絵だからねぇ。」
と、ほのぼのとした会話を繰り広げていた。
初老夫婦と別れた後、 馬とナギは互いに思った事を話していた。
馬「黒塗りの人、もとい女王様はとっても美人さんでしたね。」
ナギ「……あぁ。」
馬「大事に絵を飾ったり持ち歩いたりするぐらいだから、街の人は女王様をかなり崇拝してるようですね。」
ナギ「……だろうな。」
馬「うーん、それならどうして船長が持ってた絵は黒塗りなんてされてたのかなぁ?」
ナギ「……いくら街の人間っつっても、全員が全員女王を好きなわけねぇだろ。
1人くらい嫌いな奴がいてもおかしく無ぇよ。」
馬「いやいや、黒塗り絵の持ち主って多分あの井戸端会議してた若奥さんでしょう?
そんなことしなさそうじゃないですか。」
ナギ「……人には言えねぇような事を日記に書いてるって本人も言ってただろ。」
馬「いやいやいやいや!
ご夫婦のイチャコラ日記と黒塗りは次元が違いますから。
本当にあの若奥さんに何があったんでしょうね…」
馬はブツブツと考えながら歩いている。
ナギ「…………」
ナギからすれば馬の気にし過ぎのようにしか思えなかったが、黙ってやり過ごしている。
……………………………
露店商から聞いていた換金所に2人で足を運んでみると、リュウガ以外のシリウスメンバー達が揃っていた。
ソウシ「あ、馬ちゃん♪」
トワ「馬さん達も換金交渉に来たんですか?」
馬「そうそう、やっぱりお金が無いとね!
お店でも冷やかしになっちゃうもんね。」
ナギ「……船長は?」
シン「気になる事があるって言った後ですぐに居なくなった。」
ハヤテ「単独行動すんなって船長自身が言ってたのになー。
馬、船長の方を監視しとけよ。」
馬「この街に限っては船長は私よりも大丈夫だと思いますよ。
なんか、ずば抜けて守られてる感がしてますからね。」
ハヤテ「じゃあ俺も!」
ハヤテもこの機に乗じて目出し帽を脱ごうとしたが、慌てて馬がそれを阻止する。
馬「ダメダメ!
さっき確認しましたが、やっぱりハヤテさんはここの女王様の旦那さんに激似なので絶対に脱いじゃダメですよ!」
ハヤテ「……はぁ。」
小さく溜め息を吐くハヤテは渋々脱ぐことを諦めた。
実際に取り憑かれていた手前、馬の言うことには逆らえない。
その時、
ゾワッ……
馬「え?」
急に馬の身体に戦慄が走る。
馬「な、ナギさん、ナギさん!」
完全に恐怖に支配される前にと、馬は慌てて最愛の人に安らぎを求める。
ナギ「……どうした?」
馬「よくわからないですが……も、もう船に戻った方が……」
馬はカタカタと震える手でナギの手を握った。
そこに、
シン「おい!」
顔色を悪くしたシンが馬に話し掛けてきたのだが、彼にしては珍しく取り乱しているようだ。
シン「無性に船に戻りたいんだが、お前もか?」
馬「シンさんもですか?」
2人が意思疎通を図っていると、ソウシと換金所の店主との会話が聞こえてきた。
「もうすぐ女王様達の巡回が来る頃か。
最近の女王様はえらく厳しく取り締まるようになってな……なぁに、あんたらは犯罪は犯して無いんだし、堂々としてりゃ大丈夫だよ。」
ソウシ「わかりました、普段通りにしておきます。」
馬「シンさん、その女王様と会っちゃったら絶対にダメな気がしません?」
シン「奇遇だな、オレもそう思う。」
霊感持ちの2人の意見が合致してしまった。
(その4に続く、あとがきへ)
【あとがき】
心霊現象理論は管理人の個人的な考えなので実際はどうなのかよくわかりません(笑)
管理人が中学生の頃に姉とこんな会話をしまして、
姉「コウモリが超音波出してるなら人間にも出せそうじゃない?」
管理人「死ぬ直前で超音波が出る、それが残って残留思念になるとか?
苦しんだ分だけよく残りそうやね。」
姉「そうそう!幽霊が見える人って超音波とか敏感に感じ取れる人なんじゃない?」
↑
このような会話と、お仲間さんから聞いた体験談を元にして、主人公の心霊ウンチクが出来上がりました。
真夏のホラー話の予定でしたが、すっかり寒い季節となってしまいました……出来るだけ急いで話を作っていきますね!
馬ときどき魔王 管理人より(※と、当時の管理人が申しておりました!)。