リュウガ「なんか騒いでるな。」
リュウガが先の民家を見つめながら呟いた。
市場まで後少し、ある家屋の前で女性ばかりの人だかりが出来ていた。
「憲兵を呼ぶべきかしら。」
集団の中心にいるのは若い女性で、困ったように小首を傾げている。
「でも盗まれたものがアンタの日記と料理本だろう?」
「それと、飾ってた陛下達の絵もだっけ?」
と、周囲の中年女性達も反応する。
どうやら少しだけ規模の大きな井戸端会議が開かれているようだ。
「そうなのよ、金目のものは無事だから泥棒とも言いづらくて…」
「泥棒っても街の誰かだろう?
またルサ様が過激な処罰を下すって考えたら寝覚めが悪いしねぇ。」
「でも日記が他人の手に渡るってのは嫌な話だねぇ。
特に、アンタんとこは新婚だから人には見せられないような過激な内容を書いてたりするんだろう(笑)?」
笑い飛ばしながら中年女性は当事者の若い女性の肩を叩く。
「アタタ…いやー、そうなの(笑)
絶対見られたくないってのに本当どうしたものかしら…」
彼女達の話を纏めると、若い女性の所持品、日記と料理本が無くなったらしく、その後、どう対処すべきかを其々で話し込んでいるといった状況だ。
馬「ソウシさん、」
ソウシ「うん?」
馬「もしかしたら昨日の書物はシンさんの力を借りなくても何となくわかるかもしれませんね。」
ソウシ「うん、古代の新婚家庭の様子が書かれてそうだね。」
ナギ「……古代料理のレシピもあの女達に聞けばすぐに分かりそうだ。」
シン「だろうな。」
馬・ソウシ「うんうん。」
女性達の会話から、昨日ソウシが持ち帰った書物の事を言っているのだと4人は察した。
……………………………
ハヤテ「おい、
馬!
何で俺だけ変装しなくちゃなんねぇんだよ!?」
1人だけ変装を強いられているハヤテは、その憤りを
馬にぶつけている。
馬「ぶふっっ(笑)ハヤテさん…何度見ても笑えます!!」
ソウシ「本当だね、フフッ(笑)」
馬の隣にいるソウシもつられて笑う。
ハヤテ「笑うな!ってか、こっちの方が余計に目立つ気がするけどな!!」
それもそのはず、ハヤテがしている変装は…

(※ハヤテ大変身、Y様イラストありがとうございます!!)
馬の私物、目出し帽を被せられただけというお粗末なものだった。
ナギ「……どう見ても不審者だな。」
シン「あぁ、犯罪者にしか見えない……が、お前があの絵の人物と似過ぎているのが悪い。」
シリウスメンバーの中でも特に攻撃的な2人はハヤテにずけずけと物申す。
トワ「街の人に間違えられたら面倒な事になりますからね、もう少し我慢しましょ…っブフッ(笑)」
フォローに入ろうとしたトワですら途中から笑いを堪えきれずに吹き出してしまった。
リュウガ「そうだぞハヤテ!!
街の探索が終わるまでそれ被って大人しくしてろっぶっふぉっっっ(笑)
ギャハハハハ(笑)あーもう無理だ、ギャハハハハ(笑)
お前は泥棒か!?ギャハハハハ(笑)!!」
リュウガに至っては理性のダムが決壊し、笑いの濁流に飲み込まれてしまったようだ。
ハヤテ「くそっ、覚えてろよお前ら!!」
目出し帽の奥では悔しさのあまり眉を潜めるハヤテがいるのだが、残念ながら、それを誰かに伝える術は彼には無かった。