廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(その2)
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……………………………
馬「ナギさん、部屋の換気お願いします!」
ナギ「……………」
ナギは黙って馬の指示通りに動いている。
馬「私は塩の回収をしましょうかね。」
現在、2人してソウシの部屋を浄めている最中だ。
先ほどのトワに続いてソウシの部屋でも、荒塩~清酒のお祓いコースを馬が施した結果、
ガチャッ!
ソウシ「凄いね!!吐いたら、何か真っ黒い物が出てきたよ♪」
と、こんな時でもソウシは爽やかな笑みを浮かべながら部屋に戻ってきたのだが、やはり第一声は先に祓われたナギやトワと似たようなものだった。
ナギ『ドクターも同じか…』
馬「お、ソウシさんは一丁上がりですね。」
馬達は、またもや黒くなった荒塩を箒で回収しながらソウシを迎えた。
馬「ソウシさんの身体は綺麗になったけど… 部屋にまだ嫌な感じが残ってますね。
島から何か持ち帰ってませんか?」
馬はスンスンと鼻を鳴らしながらソウシに尋ねた。
ナギ『……こんな時もコイツの嗅覚は役に立つんだな。』
ナギは馬の野性動物に近い能力に感心しながら事の成り行きを見守っている。
ソウシ「本当に鋭いね、廃墟にあった本をそこに置いてるんだけど…」
そう言いながらソウシは机の上を指差した。
そこには探索時に彼が持ち歩いていた鞄が置いてあり、馬にはそれを確認してもらいたかったのだが、
馬「引き出しの中ですか? 実はさっきから気になってたんです…」
と、確認する場所を勘違いしている彼女は机の引き出しに手を掛けた。
ガラッ!!
ソウシ「あ、」
馬「え!?あ…!!
ほんぎゃあぁぁぁぁぁぁーーっっ!!」
引き出しの中身を把握した途端、馬はあらんかぎりの悲鳴を上げた。
ナギ「どうした…、 うゎっ…」
次いでナギも引き出しの中身を見て驚愕する。
ソウシ「ち、違うんだ、これは、その…」
馬「わ、わた、私が、いっぱい!!」
深めの造りになっている引き出しには数多の手彫りの馬人形がひしめいていた。
メイド服やナース服、セーラー服や天使の羽の生えたものなど、様々なバリエーションで溢れかえっている。
……………………………
ソウシが持ち帰って来た曰く付きの書物を馬が浄めている間に、
ナギ「……燃やしてきたぞ。」
ナギは、先程発見したソウシ手彫りの馬人形の内、キワドイ衣装のものを全て厨房で燃やしてきたようだ。
馬「いやー、私の顔でパンチラとか、全裸手隠しポージングとか、裸エプロンの人形なんてキツいっす。
ナギさん、燃やしてくれてありがとうございました。」
馬はナギの手間仕事を労った。
ところが、
ナギ「………………」
実際は燃やしてはいないのだ。
ソウシ作のセクシー人形があまりにも精密過ぎたため、馬本人を燃やすような感覚に陥り、良心の呵責に苛まれた彼はこっそり取り置く事にしたのだった。
……………………………
コンコンッ!
次に馬達が扉を叩いたのは、
馬「船長、お邪魔しまーす。」
リュウガの部屋だった。
リュウガも廃墟にあった物を持ち帰ったと聞いているので、ソウシの部屋と同じフロアーに居るハヤテよりも優先して祓いに来たのだが……
リュウガからの返事は無かった。
ナギ「……寝てんじゃねぇか?」
馬「だとしたら無理矢理起こしてでも、祓いに行かないと!」
馬はドアノブを回してみた。
ガチャッ……
馬「……失礼しまーす。」
馬は声を潜めながらゆっくりと扉を開けた。
ギィ……
リュウガ「……グォーー…」
やはり、リュウガは寝ているらしく、部屋の奥から豪快な寝息が聞こえてくる。
馬「では、参りましょうか、海賊王の寝起きドッキリに!
ささ、ナギさんはこれを持って。」
そう言いながら、馬は用意していた『寝起きドッキリ!!』と掛かれたプラカードをナギの手に持たせた。
ナギ『……どっきり…?…何の事だ?』
ナギには意味がわからなかったが、これも『お祓い』の一種だと思い、プラカードをしっかりと肩に担ぎながら馬の後に続いた。